お知らせ

2020.04.30

ブログ

ミーティング 〜話し合いの中心は子どもたち〜

昨年に引き続き、年長児の担任をさせていただいています。

今年のさくら組の子ども達とも、早速、たくさんのミーティングをしてきました。

今月話し合った主な内容は以下の通り。

 

・その日の出来事、楽しかったことなど伝えるサークルタイム(毎日おやつ後)

・来週したいことを出し合う週間計画(毎週金曜日)

・運動会について

・誕生日会について

ミーティングは、子どもと子ども、そして子どもと大人での対話を大事にしながら、進めていきます。大人同士で話し合いをどう進めて行くか予め打ち合わせていますが、子ども達のアイデアが広がり予想していない方向に話題が膨らむこともよくあります。子ども達の思いや表情を見ながら、一緒に色々なことを決めていきます。

 

ミーティングをする目的、ねらい、どんな力が育つことを願って行なっているかなど…お伝えしたいことはたくさんありますが、

この1ヶ月、子どもたちとのミーティングを通して、

私が改めて大事にしたい!と感じたことを中心にお伝えします。

 

 

 

ある金曜日の週間計画でのことでした。

 

来週したいことの中で、

『紙飛行機大会をしたい!』

という意見が出ました。

さらに、ちょうどその日は、近くのいきいき公園に行った日だったので、

『いきいき公園で飛ばしたい!』

『お弁当を公園で食べたい!』

という意見が出て、

『だったら、給食をランチボックスに入れて、公園にいってしたいことをしようよ!』

と、

たくさんの意見が出て、テンポよく話し合いが進みました。

 

話し合いはここで終了、

と思いきや、子どもたちから質問が。

『先生、お弁当ってどうやって持っていくの?』

『お弁当箱ってフタないんじゃない?』

といつも、使っているランチボックスにフタがないことに気付いた子ども達。

すぐに給食室に確認すると、セットのフタがありそれを貸してもらうことになりました。

さらに、

『でもさ、手を繋いでいくから、お弁当持ちにくそう』

『どうやって持てばいいの?!』

『私、絶対こぼしちゃう…』

など、自分たちが持って歩くところまで、より具体的に想像していました。

 

自分たちのお弁当を無事に公園まで運ぶ事ができるかどうかは、子どもたちにとってかなり切実な問題だったようです。

 

その日一番の子どもたちの真剣な表情や、必死に意見を出す様子が見え、話し合いをもう少し続けてみました。

 

『そうだよね〜、お弁当運ぶの大変だよね。

どうやったら、無事にお弁当持っていけるかな?』

と、話すと、子どもたちからアイデアがたくさん出ました。

【もちやすくなる袋】に入れたいという意見は共通でしたが、少しずつ違うそれぞれの意見を聞き合い、それもいいねぇと頷いたり納得したりする様子も見られました。

最終的に多数決でお弁当袋に入れるという方法が選ばれました。

『大人に全部持ってもらう!』なんて意見も出るかな?出たら面白いな、と密かに思ってましたが…そのような意見は出ませんでした。みんな自分の問題として真剣に考えている証拠です。

子どもたちが、

自分にとって抜き差しならない問題に気付く

なんとかしなければ!と主体的に話し合いに参加する

それぞれ知恵を絞って意見を出し合う

1番納得できる解決策をみんなで選ぶ

というしっかりとした流れを感じるミーティングの時間でした。

 

子どもたちにとっては、お弁当をどうやって運ぶかについての議論が、その日の週間計画でのハイライトシーンだったに違いありません。

じっくり話し合った分、子どもたちの心に残ったのでしょう。それぞれ自分でおうちの人に、お弁当袋を持って行きたいと伝え、誰一人忘れることなく、公園まで無事にたどり着くことができ楽しい1日を過ごせました。

タイトルにもあるように

このミーティングで、大事にしたいとおもったのは

話し合いの中心に必ず子どもたちがいること

です。

お弁当をこぼさず公園に無事に運ぶにはどうすればいいか、という問題、

これが大人同士の話し合いなら、一瞬で解決する話かもしれません。

しかし、活動の中心、話し合いの中心はあくまでも子どもたち。

子どもたち頭の中で湧き上がった疑問や課題を、子どもたちのペースで多少時間がかかっても一緒に解決する。そんな時間を大切にしたいと感じました。

また、じっくり自分の問題だと捉えて向き合ったことで、その後の具体的な活動での主体的な姿に繋がるのだと、話し合い、その後の子どもたちとの活動を見て再認識しました。

今年は、さくら組だけでなくもも組の担任もさせていただきます。2つのクラスに入りながら、それぞれの発達年齢の違いによる活動やミーティングの様子の違いを同時に見るられるのはとても貴重な経験です。

いつでも、どんなときでも目の前の世界を全力で生きている子どもたちと活動を共にしながら笑って楽しく過ごしていきたいです! 文責:椎屋

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