お知らせ

2019.04.27

ブログ

主任だより 3

主任、櫻田です。今週は、雨の多い一週間でしたね。雨が降れば園庭はビシャビシャ、遊具も水が滴り…しかし、さすが子どもたち。そんな環境も、子どもたちにとっては宝の山です。天候によって姿を変える園庭に、子どもたちはいつでも夢中です。雨上がり、園庭に現れた水たまりに年齢問わず集まっていくのはいつものこと。足や手で泥を触ったり跳ねさせたり、いつもと違う感触を楽しんでいます。

そんな中、ダイナミックに泥の感触と親しむ子も!服が泥水を吸って変色するのも構わず、むしろ誇らしげに「見て!」と保育士たちに見せ回っていました。「気持ちよさそうだね」と声をかけると、「チケットください!そしたらもう一回見せてあげるよ!」と笑い、何かの動物になりきって泥の中で飛び跳ね始めていました。その姿に思わず笑ってしまう保育士に満足気な様子。また、その子がいなくなってから真似して泥に膝を付ける年下の子どもたち…。

 

 

たかが泥、されど泥…。泥水の中で跳ねまわる姿だけを見ると、「泥の感触を楽しんでいるんだな」「手や服の色が変わるのが面白いんだな」で終わりますが(もちろんその経験も大切なことですが!)前後の流れを見ていると、泥水という素材を通して他者とのコミュニケーションも盛んに行われているんですね。かつて、「お友達と仲良くしましょう」の手段が、大人主導の教え込む形だったこともありましたが、このような自然な形でのコミュニケーションこそ大切にしたい…見逃さないようにしたい!と思います。

泥まみれになった姿に、保育士たちは内心(これは洗うのに一人配置しないといけないな)なんてその後の流れを大人視点で考えつつ、見て!と見せに来た子どもに「たくさん遊んだねー」と受容的に関わります。「お友達に優しくするんだよ」と口酸っぱく言わなくとも、子どもは身近な親しい人の模倣をしますから、保育士の受容的な関わりを模倣していきます。そうしていくうちに、穏やかな言い方や優しい言葉の気持ちよさに気付いたり、コミュニケーションの手段として取り入れたりとしていくのだと思います。主任として、現場の保育士たちがゆったりと落ち着いた気持ちで子どもたちと関われるよう、サポートを続けていきます!

 

また、泥水から連想する動物の真似という見立て遊びも行っていました。動物園に行ったのかな?テレビや絵本で見たのかな?なんにせよ、今までの経験を思い出して身体全体で「表現」を行っているわけです。

 

ところで、国が定めている保育指針に「表現」という項目があります。幼稚園・認定こども園・小学校で共有する「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」にも「豊かな感性と表現」という項目が設けられています。

 

「心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる」

 

これが、「豊かな感性と表現」の原文です。

 

三歳未満児の「表現」の項目には、

・生活や遊びの中で、興味のあることや経験したことなどを自分なりに表現する

・様々な表現の仕方や感性を豊かにする経験となるようにすること

 

三歳以上児の「表現」の項目には、

・生活の中で様々な音、形、色、手触り、動きなどに気付いたり、感じたりするなどして楽しむ

・様々な出来事の中で、感動したことを伝え合う楽しさを味わう

・自分のイメージを動きや言葉などで表現したり、演じて遊んだりするなどの楽しさを味わう

などの内容が盛り込まれています。(一部抜粋)

 

園庭の泥水に対する子どもの一通りの動き、国が幼稚園・保育園・認定こども園に求める「表現」の内容と被る点があるように思います。

保育士となってまだ6年、まだまだ勉強中の身ですが、生活の中の遊びにこそ最大の学びがあるという点だけは私は確信を持って言えます。ここ数年、国が行っている指針の改定や教育改革(センター試験の改革などが例です)が、後押しにもなりました。

大人から見るとなんてことない遊びも、視点を変えれば社会に出てからの生き方に繋がる大切な学び。大切な学びの機会を、保育士側が奪ってしまわないよう気を付けていきたいところです。日本の幼児教育含めた教育が大きく変わろうとしているのですから、大人も「かつてのやり方」だけに捉われず、色んな情報を取り入れ考えながら、変化していかなくてはなりませんね。

さて、折角「表現」について触れたので…昨年度、副園長が書いた関連する内容のブログ記事を載せます。内容は、発表会について触れていますが、発表会だけでなく、運動会にも通じるものがあるのではないかと思います。

http://blog.nishikigaoka.com/?eid=1293807

主任 櫻田

当園についてや入園に関しては
お気軽にお問い合わせください