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2025.10.16
ブログ
🍒組 噛みつき=自我の芽生え!

今回はさくらんぼ組【噛みつき】についてお伝えします!
🌟噛みつきについて
子どもの噛みつきは個人差がありますが、早くて生後6ヶ月を過ぎた頃から見られます。
この頃は歯が生えてくる時期で、歯茎がむずむずして痒い、噛む感触を確かめようとするなど成長に関係した原因で噛みつきが起こることがあります。
乳歯がある程度生えた1歳の子どもや、生え揃う2~3歳の子どもでも、噛みつくことがあります。
この時期の噛みつきは、自分の思いをことばで表現することが未発達のために起こることがほとんどです。
🌟噛みつく理由として
•「〜したい」「〜してほしくない」など、要求を伝えたいから
•楽しくて気持ちがたかぶっているから
•歯が生えてくる時期で、口の中がムズムズするから
•目の前に腕があったから
など理由は様々です!
子どもの噛みつきが多く見られるのは、主に1〜2歳頃です。この時期は 自我が急速に発達する一方で、自分の感情を言葉でうまく表現する能力が追いついていないため、噛みつくという行動で気持ちを表すのです。
この年齢では、子どもが「これがしたい」「あれはしたくない」といった自分の意思や欲求をはっきりと持ち始めます。いわゆる「イヤイヤ期」と重なることが多く、感情のコントロールが特に難しくなります。
園では、同じくらいの発達段階にある子どもたちが集団で生活しているため、個々の思いがぶつかる機会が増えます。そのため、集団生活をしている場において噛みつきが発生しやすいことが多いです。
🌟噛みつきはしつけとは無関係
噛みつきには個人差があり、頻繁に噛む子どもと、ほとんど噛まない子どもがいます。
噛む傾向のある子どもは、繰り返しその行動を示すことがあります。
しかし、これは 本能的な行動であり、噛みつく子も相手を困らせようとしているわけではありません。
「しつけが悪いのでは」と悩む保護者もいらしゃいますが、 噛みつきは決して、しつけだけの問題ではありません。
気持ちを受容して繰り返し伝えていくことで、少しずつ減っていきます。
大切なのは、【今は自我の芽生えと共に噛みつきで表現している時期なんだ】と捉え、こども達の様子を見守りつつ未然に防げる噛みつきは対応して気持ちを受容していくことです。
🌟噛みつきが起こりやすい場面として
【噛みつきが起こりやすい場面1:おもちゃを巡るトラブル】
遊んでいたおもちゃを他の子に取られてしまい、奪い返そうとして噛みつくことがあります。
また、おもちゃだけでなく、遊んでいる場所を巡ってのトラブルも少なくありません。
【噛みつきが起こりやすい場面2:自分の思いが通らなかった】
行動を止められた時などに噛みつくことがあります。
順番を待てずに割り込もうとしたり、「貸して」と伝えたのに貸してもらえなかったりした時に起こります。
【噛みつきが起こりやすい場面3:ただ隣にいた】
怒りや苛立ちを感じていなくても、隣にいた友だちに噛みつくことがあります。
お散歩カートに複数人で乗っている時や、窓辺で並んで外を見ている時などに起こります。
🌟噛まれた子への対応として
まず噛まれた部位を流水で洗い、しっかりと冷やします。これは痛みを和らげるだけでなく、腫れを抑え、感染のリスクを減らすためにも大切な処置です。
同時に、子どもの気持ちに寄り添います。「痛かったね」「びっくりしたね」など声をかけ、子どもの気持ちを受け止めます。子どもの気持ちに寄り添うことで、子ども心の痛みを和らげ、安心感を与えられるようにしています。
🌟噛んだ子への対応として
年齢や子どもの状態に応じて、噛む前に何か嫌なことがあった場合は、噛みつきに至った気持ちをくみ取ります。
「○○だったから嫌だったんだね」とその子の気持ちを共感して言葉にして伝えます。
同時に、相手の子が泣いている様子や噛み跡を見せ、「痛いって泣いているね」と伝えます。これにより、自分の行動が相手にどのような影響を与えたかを理解できるようにします。
最後に、 噛むことはしてはいけないことだと明確かつ穏やかに伝えます。その後は、気持ちを切り替えて「じゃあ、遊ぼうか」と笑顔で誘います。
🌟園での噛みつき予防のための工夫として取り組んでいること
【気持ちを言葉で表現する】
言葉で自分の気持ちや要求を伝えるのが難しい子どもは、噛むことで表現する場合があります。そのため、子どものモヤモヤした気持ちを次のように保育士が言語化します。
「このおもちゃを使いたかったんだね。『かして』って伝えようか」
「ここの椅子に座りたかったのね。『かわって』って言ってみようか」
「ここを通りたかったんだよね。『通らせて』ってお話しよう」
経験を通して、自分の気持ちを理解したり、言葉でどのように表現したらいいのか徐々に獲得していけるように支援しています。
【行動を認める言葉をかける】
噛む子は注意されたり、行動を止められたりすることが多くなりがちです。すると、自己肯定感が下がり、噛みつく頻度がかえって増えることもあります。そこで私たちは、普段の行動をよく観察し、次のように認める言葉をかけるように意識しています。
「順番待てたね!」
「嫌だって言えたね!」
「貸してって言えたね!」
当たり前な行動でも、できている行動の1つと捉え、ポジティブな言葉を積極的にかけるようにしています。
🌟最後に
噛みつきは出来れば起きては欲しくないことではありますが、子どもに自我が芽生え始めた成長の証です。他児への興味・関心の広がり社会性が育っていることを踏まえて、私達も子どもたちの気持ちを大切にしながら、寄り添った関わりを実践していきます。
文責:永井