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2020.02.26

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遊びからの学び 〜うめ組 小麦粉粘土遊び〜

 うめ組では夏から秋にかけて感触遊びを行っていました。頻繁に意図的に、そして自然な形で保育の中に取り入れることにより、子ども達も色々な触感を楽しめるようになってきたように感じます。寒くなってからは室内で粘土遊び、新聞紙遊び、ビーズ遊びなどをしながら、手・指を使う感覚的な遊びを取り入れました。

先日、事前に担任に「最近、どんな遊びを取り入れている?」と聞くと「手・指を使う遊び、体を使う遊び、散歩とバランスよく取り入れているのですが、感触遊びを最近していないかな⁈」ということだったので小麦粉粘土遊びをすることにしました。

そして、秋まで行っていた感触遊びを好まなかった子ども中心に活動を進めていくことにしました。

前日に小麦粉と食紅を購入して、どのように保育を行っていくかを頭の中でイメージしました。

小麦粉の色、柔らかさはどのようにするか?という素材研究をし あまりベタベタしていても、感触遊びを好まない子にはハードルが高くなってしまいます。

そこで今回は作る過程は保育士が行うことにしました。

小麦粉粘土遊び当日。保育士が小麦粉粘土を作り始めると、最初はみんなが見えるように並んで座っていたのですが、あれ⁈前もこれで遊んだことある❗️と思い出したのかもしれませんね。どの子も次第に机の周りに集まって興味津々の様子でした。

「ベタベタだね〜❗️」と子どもが見たままを言葉で伝えていました。

そこで私も「そうだね。ベタベタだね。でもね、きっと私のことを好き好きって離れないのかもしれないね❤️」と言うとベタベタの小麦粉粘土を見て、眉間にシワを寄せていた子どもも少し表情が柔らかくなったようです。

ここで感じたことは、子ども達が目から入ってきた情報を言葉にできるようになっているということです。言葉の習得もやはり個人差はありますが、何か特別なことをしたわけではありません。日々の遊びの中で子ども達自身が身につけていったものなのです。子ども達の世界では、玩具の取り合いなど日常茶飯事です。でも、保育士もそれをすぐ止めてしまうのではなく、しばらく様子を見ます。なぜなら、そういう時ほど子どもにとっての学びが大きいからです。相手との気持ちのぶつかり合い、言葉のやり取り【しないで❗️貸して❗️あっち行ってー❗️と言葉を発しない子もこういう場面でふいに言葉が溢れてくることも多々あります。】など経験を重ねて、友達と遊ぶ楽しさや自分の気持ちに折り合いをつけたり、気持ちの切り替えができるようになるのです。

このようなコミュニケーション能力は、大人になって社会に出てからも必要とする力です。そういう力を遊びの中で育てているのです。だから、子ども達にとって、遊びは学び❗️なのです。

少し話しが逸れてしまいましたが、小麦粉粘土遊びを開始したところからまた、お伝えしますね。

苦手な子どもから活動をと思っていましたが、保育士が作る過程を見ながら、子ども達自身がしてみたい❣️という気持ちが強くなったようで自ら洋服を脱ぎだす子もいました。そこは、子どもの気持ちを大切に、やってみたいという子どもと苦手な子どもをバランスよく、畳の狭いスペースに作った粘土コーナーに入ってもらい活動開始❗️

敢えて狭いスペースにしたのは、小麦粉粘土という素材に集中して遊びこんでもらいたいという思いがありました。広いスペースにすると、それだけたくさんの情報が入ってきて集中も途切れがちになるという理由があるからです。そして、狭いスペースだからこそ、子ども同士の接近、物の共有が自然と生まれて、そこから子ども達自身が成長する場面がたくさん生まれます。

豪快に遊ぶ子、最初は嫌がり見ているだけの子と本当に様々でした。小麦粉も同じ空間に置いているとそれをまた出して粉で遊ぶ子もいましたよ。「楽しいね〜❗️」「気持ちいい❣️」と子ども同士の会話が弾んでいました。

保育士も同じ空間に2人入りながら、言葉はあまり発さず、手で小麦粉粘土を触りながら、子ども達の遊びを見守ります。

未満児の子ども主体の遊びは難しいのですが、大人が数多く語らず、見守る。そして、必要な時に手や言葉でサポートしていくように努めています。

子ども主体とはいえ、3歳以上児クラスになっても、まだまだ大人がサポートしなければいけない部分があります。サポートといっても、全部手取り足取りしてあげることではありません。子どもの発達、年齢に応じて、無理なく自分でできそうでできない部分をそっと支えてあげながら、子ども自身は自分でできたという達成感が持てるように大人は少し手伝ってあげることが大切だと感じるのです。

 

さあ、そのように活動を進めていくと、最初嫌がっていた子どもも次第に小麦粉粘土に自ら触ろうという気持ちになったようです。無理に誘うのでなく、その子どもの気持ちに寄り添い、受け止め、応えてあげることで子どもも安心して遊びに入れたようでした。

また、1時間以上経ってからでしょうか⁉️活動をしていた子どもの中で粘土の入ったボールの取り合いが起こりました。

お互い譲らず、「貸して❗️」の言い合いです。時には睨み合い、2人の空間だけ時が止まっていました????

そしてボールの引っ張り合いを続け1分〜2分経ったでしょうか。一方の子どもが激しく泣き始めたのですが、一方は泣かずに睨んでいます。どちらも、負けていません。

 

ついに、側にいた私を2人が見たので「RちゃんもYちゃんもそれが使いたいのね。どうしようか?私は、仲良く遊んだ方が楽しいと思うけどなあ⁉️・・・・・、こういうのがあるよ。」とお盆を出し、小麦粉粘土をそれにのせるとRちゃん、Yちゃんも表情が明るくなり いつのまにか何事もなかったかのように遊び始めたのです。

もう1名加わり、仲良く足で小麦粉粘土を踏み始めました。足でも感触を楽しんでいたのです。誰が教えたわけでもなく、子ども達自ら遊び方を見出し、楽しめていたのです。遊びの天才ですね。

さっきまで、激しいバトルをしていた子ども達と思えないくらいの和気藹々さでした。しっかり、場の共有、物の共有をしながら楽しめていましたよ。

2人のやり取りもエキサイトしてきて、手が出るのでは⁉️という感じだったので、保育士が間に入りました。でも、その子ども達のやり取りをジャッジするのでなく、お互いの気持ちを汲むことで2人はまた仲良く遊べたに違いありません。

年齢が上がるごとに、そういう場面に遭遇しても解決できる力が備わることを信じています。その為にも、子どもの周りにいる大人の関わりが大切なのだと感じるのでした。

今回の小麦粉粘土遊びで、今までの感触遊びの経験があったからこそ、苦手だった子も時間を要することなく活動に無理なく入れたのだと思います。

保育の繋がりが子どもの育ちに繋がっているのだと強く感じることとなりました。

未満児リーダー:古市

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