お知らせ
2023.11.13
ブログ
きく組(3歳児) 「パン」がテーマのプロジェクト保育 ②パン屋さん開店準備編
きく組では、「パン」をテーマに行っているプロジェクト保育を行っています。
前回のブログでは、パン作りの活動についてお伝えしました。(前回のブログはこちら)
今回は、パン作りを経験した子ども達の「遊び(パン屋さんごっこ)」を中心にお伝えします。
「いろんな人に食べてほしい!」パン屋さんを開こう!
これまでパンを作るたびに、お世話になった給食室や他クラスの大人にプレゼントしました。
その度に、「おいしいね!」「パン屋さんに売っているパンみたい!」と喜んでもらうことで、子ども達は「自分たちだけでなくいろんな人に食べてほしい」という思いが膨らんでいきました。
できれば今回のフェスティバルで来園するすべての方に配りたかったのですが、1日に作ることのできるパンの量が限られているため、仕方なく諦めることに。そのため、紙や段ボールなど様々な素材を使ったパン作りに取り掛かりました。以下に、特に子どもたちが夢中になった素材でのパン作りについてご紹介します。
1.粘土
小麦粉の感触に最も近い素材である油粘土、紙粘土でパン作りをしました。
粘土の可塑性や柔らかさを十分味わう期間を経たあと、次第に絵本に出てきたパン、ひまわり工房のパンなど好きなパンを作り上げたい!という思いが強くなっていった子ども達。保育者が買ったパンを分解して構造を解き明かしたり、手指や道具を使って試行錯誤したりしながら作り上げていきました。
実際に作って食べたメロンパンに関しては、本物のようにクッキー生地とパン生地のパーツをわけて作る子がたくさんいました。本物を作った経験が子ども達のなかに強く印象に残っていたことを実感しました。
2.新聞紙
はじめは、塗り絵が大好きな子ども達は、塗ったパンをお店に並べて「私の描いたパン、どれが好き~?」と、お店に出していました。後日、新聞紙を丸めてふんわりした丸パンを作ると、柔らかさや立体感が表現できる素材として大人気に。
粘土同様、新聞紙も、握る、丸める、ちぎるなど、子ども達が扱いやすい素材です。量や包み方を調整することで、自分が好きな大きさや形のパンを作れることに気付き、何度もつくっていました。また、シールを貼って、実際に作ったコーンパン、ぶどうパンを再現することもできました。
他にも、ちぎる、貼る、塗る、切るなどの方法でピザやフランスパン、サンドイッチなどのパン作りに挑戦しました。
0歳の頃から感触遊びや指先を使う遊びを通して親しんできた素材を、作品作りの材料として自分たちがこれまで経験してきた方法でパン作りに取り入れることが出来ました。
繰り返し作ることで、1つ1つの作品が大きくなっていき、子ども達にイメージしたパンを作れるという自信や充実感が高まっているように感じました。
開店準備、はじまる
普段からごっこ遊びが大好きな子ども達。作ったパンを並べて、パン屋さんごっこもしました。
子ども達は、ごっこ遊びのなかで日頃の経験を取り入れて自分なりのイメージを言葉や身振り手振りも添え表現することが大好きです。また、少しずつイメージを友達と共有できるようになり、会話ややりとりも楽しむ姿も増えてきました。そばで聞いていると、お店で実際にあるやりとりや言い回しをしており、「よく知ってるなぁ!」と感心するほどでした。
フェスティバルに向けてのリハーサルを兼ねて、2グループに分かれ、お店屋さんとお客さんを交互に体験しました。その後のサークルタイムでは
「パンがすぐなくなっちゃった」→「もっとたくさんパンを作らなきゃね」
「いらっしゃいませの声がちょっとうるさい」→「優しく言おう」
「おかねとか、レジとかがない!あとあたためるやつ(オーブン)とか…」→「作ろう!」
「だれがパン屋さんでだれがお客さんかわからなかった」→「パン屋さんってどんな格好だっけ?」
気付いたこと、次にどうするかなどを考える意見が子ども達から出てきました。
現状や課題を知り、次の活動に繋げる、活かすというサイクルを、3歳児クラスの子ども達も自分の言葉で伝えながら行うことができていました。繰り返し話し合いのなかで経験したことについて振り返ることで、自分の意見を伝えることにも慣れていきました。
お待ちしています!
フェスティバルでは、これらの過程がお伝えできるような展示、そして子ども達によるパン屋さんごっこの様子を少しずつでもお伝え出来たらいいなと計画中です。
子ども達の思いや声から、あと1週間でさらにどのようなパン屋さんが作られるでしょうか。子ども達とぎりぎりまでパン屋さん準備を楽しみたいと思います!どうぞお楽しみに!
文責:椎屋