お知らせ
2019.10.23
ブログ
主任だより 話し合い①
廊下を歩いていると、さくら組(年長児クラス)の子どもたちがサークルになって話し合いを行う姿を度々見かけます。
〇〇ちゃんの誕生日は、何をしようか…。
来週は、どんな遊びをしようか…。
担任いわく、話し合うことは尽きない!そうです。
子どもが子ども自身のことについて自分で決められる…自己決定権があるという事は、非常に大切なことです。
何故ならば、子どもは自分で決めた事には全力だからです。没頭しますから、得られる学びも多くのものがあります。
更に、社会に出た時、自分で考えて、自分で決めて、自分の選択に責任を持つことになるという点からも、今から子どもたちが自信を持って自己決定できる機会を作っていくことは大切です。
自分で決めるよろこび、自分が決めたことを真摯に受け止める大人がいるよろこび…必ず、自己肯定感に繋がるでしょう。
自己肯定感を持つ子どもは、自分自身の人生を生きる自由を得ることができます。
では、その為に大人はどうあるべきなのでしょう。
今回のブログは、さくら組(5歳児クラス)の話し合いについて。
先月、さくら組が12月の発表会について話し合いをするということで、良い機会だったので見学をさせて貰いました。
同じ5歳児といっても、ひとりひとり考え方が違います。一生懸命考える子もいれば、自分にはあまり必要な議題ではないと思ったのかそこまで考える素振りの無い子、他の子の発言を聞いて改めて考えてみる子、議題の内容はさておき…と違う話の意見を言う子と非常に様々でした。
油断すると混沌とした場になる話し合い。
担任二人…大人が子どもの意見をまとめたり、整理したり、ホワイトボードに書いて分かりやすくしたり、時に背後からそっと声をかけて集中できるようにしたり…と落ち着いた表情で、フォローしていました。
見学することで、話し合いに参加する大人は様々な技術が必要であることが分かりました。
・子どもの現在の姿を把握し、子どものニーズを理解する
・大人側で考えている話し合いのゴール、目標
・話し合いの議題に関する下調べ
・話し合いに出てくるである子どもの意見の予想、対する大人側の回答の打ち合わせ
・どんな意見でもあなたの意見を聞いてますよという真摯な態度を取る子どもを尊重する気持ち
・多様な意見が飛び交う話し合いを整理する力…などなど
子どもの自己決定と言っても、子どもに放任するわけではないのです。子どもよりも生きている時間の長い大人として、今までの経験を元に子どもが自己決定するまでの道のりをフォローしていくことが大切です。子どもが全て正しいわけでも、大人が全て正しいわけでもありませんから…話し合いの場では特に、対等な関係でいたいものです。
見学を終えて、この話し合いを来年度も再来年度も続けていくために、やり方を各個人に任せるのではなく、園としての話し合いのやり方を確立したいと強く思いました。
その為には、現状で満足するのではなく改善点を洗い出して、錦ケ丘の話し合いの精度を上げていかなくてはなりません。
客観的に見学した際に、話し合いに興味を持って参加する子と、他の子が考えている時間の間に手遊びやよそ見をして集中力が失われていく子がいるように感じました。さて、ではもっと集中できるようにするにはどうすればよいのか。
話し合いに参加するよう促す?
これは、やってみても良いでしょう。しかし、それを何回もして効果が無いようならば別の策を考えなくてはいけません。
効果が見られないのにやり続ける、もしくは効果が表れるのをただ待つ…というのは、あまり良い手だとは言えません。
ひとまずこの日は、良い策を考えたりヒントになりそうな本を読む暇も無く終わりました。
さて、話し合いを見学させて貰った時、ちょうど”きのくに子ども村”という小学校・中学校への見学の予定が立てられつつありました。
その見学に向けて本を読んでいた際に知ったのが、オランダで行われている”イエナプラン教育”という教育法。調べると、イエナプラン教育を行っている幼児クラスの動画を見ることができました。
そこでは、さくら組の子どもたちと同じようにサークルになっての話し合いが行われていました。よくよく見ると、椅子に座って話し合いを行っていたのです。そこで早速、担任に椅子を使って話し合いをしたらどうなるか試して欲しいとお願いをしました。
結果は、この通り。以前よりも集中しやすい環境になりました。
普段、子どもたちが遊ぶ環境を作る際に保育士は様々なねらいに沿って、玩具の数や場所の広さをコントロールしています。時には、あえて言い合いが発生しそうな空間を提供することも。
今回は、ひとりひとりのスペースが分かりやすく示されたことで、落ち着いて話し合いに集中できるようになりました。
話し合いを見学するだけではなく、実際に司会進行をする機会も作って貰いました。
議題は、「12月の発表会(仮)の名前を考える」
主任からさくら組の子どもたちへ依頼するという形で行いました。
実際に行うことで様々な気付きを得ることができました!長くなりますので、今回はここまでとなります。
続きは次回のブログに載せますので、またご覧いただけたらと思います。