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2019.05.27

ブログ

主任だより

主任、櫻田です。先週は急に気温が上がり、子どもたちの汗ばむ姿がよく見られました。1時間戸外で遊ぶ中でも、分担して子ども達にお茶を配る職員たち。4歳を超えてくると自分でこまめに飲みに行くようになりますが、遊びに熱中して飲み忘れてしまったら大変。担任は、コップを見て飲みそびれている子がいないかチェックしていました。

 

さて、いつぞやの記事で、保育指針の「表現」の視点で子ども達の遊びについて書いたかと思います。(過去の記事は「主任だより」で検索すればいつでも読み返せます。)

 

保育指針に書かれている保育の内容には「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」という5つの領域があります。

それぞれ、様々なねらいがあるわけですが…ひとつひとつが分かれているわけではなく、子どもの姿の中に全ての領域が含まれていると思っています。保育士側も、「”健康”の領域をカバーする保育のために、給食をしっかり食べれるようにしよう」とひとつの領域だけを考えるのではなく、「給食中に和やかなおしゃべりを出来る雰囲気づくり(健康)をする中で、子ども同士がスプーンの使い方をお互いに見て教え合って影響しあう。(人間関係)食材に興味を持ち”これなあに?”と聞いたら”みどりいろのやさいだね、なんて名前なんだろう”と答えたり(言葉)後から図鑑で調べたりする。実際にその野菜を育ててみたら、その野菜についたカエルを見てごっこ遊びが始まる(表現)かもしれない」と考えます。

例に挙げたのは一本道ですが、授系図のようにいろんなパターンを考えて、対応できるようにすることも多々…。いつだって、子どもひとりひとり反応は多種多様なのです。

それを踏まえた上で、「環境」の視点から先週の子どもの姿をご紹介します。

虫との関わり

茂みに虫がいることに気付いた四歳児二人。四歳児クラスでは、アゲハチョウが卵を産み付けた姿を見てから、元々去年から好きだった虫への興味がさらに高まりました。「ぴょんってしたね」「噛むかも」…虫の中には、噛んだり刺したりする虫がいることを、子ども達は保育士から教えられています。知らない虫がいた時は、触る前に図鑑で調べる事が少しずつ身に付いてきました。

今は、チョウの幼虫を育てているクラスもあります。卵から観察を続けていた幼虫が死んでしまった時は、特に興味を持っていた子ども達はショックを受けたようで顔を曇らせて「あんなに小さかったから、弱かったんだね」と呟いていました。子どもも幼虫も可哀想な出来事でしたが、子ども達の中で「生命の尊さに気付き、いたわったり大切にしたりする」という気持ちが芽生えているようでした。

 

木陰は気持ちいい

日差しが暑くなってくると、子ども達は自然と木陰に集まってきます。緩やかな坂道は寝ころぶのにちょうどよく、手で探りながらごろごろと転がる姿も。それを見て、1・2歳の小さな子ども達も真似をし始めていました。「日差しがある場所は暑い。木陰は涼しい。風が吹くと気持ちい」と、環境の違いを感覚的に捉えているのですね。「坂は転がりやすいから、最初は慎重に」という、数学や理科に繋がる基礎も、坂道という環境の中で自然と気付いていきます。

 

手や足で触って…

子ども自身が水をバケツで運んできたり、職員が水を意図的に多めに撒いて環境の変化を作ったりする中で、泥の感触を肌で楽しむ子ども達。「黒くなった」「べちゃ、べちゃ」時間が経つにつれ、徐々に乾いてきて土に変化が見られると「砂になったね」「水なくなった!」と気付き、別の場所に移動したりまた水を持って来たり。水を運べるように去年から職員が意識してバケツも準備しているので、気付き→どうするか考える→実行するの流れはスムーズです。

一歳児の子どもたちは、職員が「水だよ」と置いたタライに続々と集まりました。最初は手でチャプチャプと確かめ、陽の光が反射したり波立ったりするのをじっと眺め、顔にぴっと飛んできた水に驚き。段々慣れてくると、思い切って足を入れる子も。水道からポツポツと垂れる水を掌で触る子も増えてきました。職員は、あえて止めずに見守ります。

こういった経験を通して、感覚が豊かになっていくことでしょう。

 

いっこ、にこ…

拾い集めた枝や葉を数えたり、ヤカンの中の水量を調整したり。集めてきた枝を見比べて、長い方がいいと言い合うことも。これは「カレー」だそうです。先日、青空カレーの日として子どもたちの前でカレーを作って見せた経験からでしょう。環境によって、数量や長短、形なども自然と習得していきます。

夢中になって環境に没頭していく子ども達は、学びのあるべき姿だと私は思います。

子ども達が、環境の中で様々な学びを得るために、職員側も子ども達の言動を丁寧に観察して、環境を整えていかなくてはなりませんね。職員からは日々、「子ども達が○○なので▽▽をクラスに置きます」「棚の位置を変えようかな」と工夫する声が聞こえてきます。

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