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2021.11.01

ブログ

脳と運動の関係

 先日、作業療法士・中鶴真人先生による「脳科学とアダプテーション」の研修を受講しました。

 研修を通して大まかに以下のことを学びました。

・「脳を知ること=子どもを知る」

・全ての行動、運動には目的がある

・子どもを支える「大丈夫の手」の正しい方法

〇「脳を知ること=子どもを知る」

陸上で生活する生物のほとんどは、脳という器官があります。例として、人間やチンパンジー、マウスやワニ等様々な動物が生息しています。これらの動物の脳の大きさや姿勢には、二足歩行かそうでないかで違ってくるそうです。

体感機能のある二足直立の動物は、そうでない動物に比べて脳の大きさが大きく、脊髄までが脳みそであることから姿勢も真っ直ぐ伸びているそうです。

 歩き始めの子どもが歩くときに何度かバランスを崩し手のひらを地面につけたり、転んだりする姿が見られます。この時、子どもは立ち上がってから倒れない様に身体のバランスを保つ為に脳が働いている状態で歩いています。これが次第に運動量を積むことで、無意識にバランスを保ちながら歩くことが出来る様になると学びました。

これを踏まえて、まずは未満児の子どもたちは歩行の安定を図るために、体感を鍛えることが出来るよう沢山園庭を歩き回ることが大切だと考えました。特に傾斜やでこぼこのある築山などは体のバランスを全身でとることが出来る最適な環境だと思いました。

〇全ての行動、運動には目的がある。

 脳は日常の全て(環境)に適応すると知りました。人は目的を果たすために運動をします。

そこで、実際に職員も実践を行いました。

最初に、立った状態から前屈を行いどのくらい自分の手が床へいくのかを知ります。

  それから、中鶴先生が職員の足の真ん中にペンを置き、先程と同様に前屈をしてペンを取ることを声掛けします。

 すると、「ペンを取る」という目的から最初の前屈より可動域が広がりました。このように脳は命の保持と目的遂行という役割を果たしているのです。

〇正しい子どもを支える「大丈夫の手」

 運動遊びや戸外遊びで子どもの遊ぶ様子を見ていると、怪我をする危険のある危ない場面が度々起こります。

 その際に、大人は子どもが高い所などから落ちたり怪我をしない様に手をそっと出して様子を見守る姿が見られます。このような姿は間違いではありませんが、子どもの様子を目視し、危ないと判断してから脳が神経に信号を送り行動に出るまでに多少時間がかかってしまいます。それでは、子どもが怪我をする前に支えることが難しい時もあります。

 その為、素早く子どもを支えるには正しい「大丈夫の手」を行うことがより効果的だと学びました。

 

あばら骨付近に手を添えることで子どもの些細な動きも感知しやすく、脳が神経に信号を出してからすぐに子どもを支えることが出来るようになります。

 今回の研修から、より子どもたちの体幹機能や環境を通して情緒が豊かになるように日々の保育に取り入れ、保育の質の向上へと繋げていきたいと思いました。また、自分の軸(体の中心)や型の情報を子どもの脳が検知し更新できるように今後も「リトミック」や「わらべうた」を行い子どもとの接触による関わりを大切にしていきたいと改めて考える機会となりました。(文責 松添)

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