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2020.05.26

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もも組 運動遊び

先月、作業療法士の中鶴先生の活動で運動遊びを行いました。
>椅子から椅子へ「わたる」動き、机の坂を「のぼる」動き、椅子の下を「くぐる」動きなど、様々な動きができるように装置を組んでいきます。

年齢や発達に合わせて装置を組んでいくので、子ども達にも無理なく、楽しみながら身体を動かすことができます。

ここで先月の運動遊びの様子を紹介したいと思います。

今回のねらいは、
保育士のねらい
「発達にあった装置を設定し、子ども達一人ひとりの身体の動かし方を知る」
子ども達のねらい
「自由に身体を動かすことを楽しむ」
というふうに設定しました。

まずは自由に身体を動かします。

子ども達が怪我をしないよう、一つの装置に保育士がつき、危険予測をしながら時には手を添えて見守っています。
保育士がつけない場合は、難易度を低くして怪我をしないような装置を設定しています。

ここでのねらいは自由に身体を動かすことだったので、「この方法で登ろう」など声掛けはせず、一人ひとりの自分なりに考えた登り方、渡り方などを見守りました。
ねらいにもよりますが、自分なりに考えた方法で「できた」という経験をするからこそ運動有能感(出来た体験から自信を持つこと)が育まれていきます。

こうした遊びを通して、「このくらいの幅があれば私は通り抜けられそう」などの空間認知力が身につき、多様な動きの経験が危険に対する身のこなしにも繋がっていくのだと思います。

続いて、あえてくぼみができるように使った装置についてです。
このようなくぼみを作ると、子ども達はすぐに集まります。

接近することで「ぼくが座る!」「私が座ってた!」など言い合いが生まれることもありますが、自分の意思をしっかり持ち、言葉に出来るということです。
ここで「座っていいよ」と譲れることだけが正解ということではなく、友達の気持ちを知りながらも座りたいという自分の気持ちと葛藤したり、友達が座りたいならこうしようと工夫したり。接近・共有の場をあえて作ることで、子ども達の社会性を育むことにもつながっています。

先ほどは自由に遊びましたが、次は一つの装置を順番に取り組んでいく活動です。

名前を呼ばれて一人ずつ取り組みます。
みんなに見られることで緊張することもありますが、クリアできた時の喜びはとても大きいことが表情で分かります。そんなときに保育士が「いいね〜!」とハイタッチをすることで、子ども達の中で自信に繋がっていくのです。

最後に中鶴先生から子ども達へ面白い課題が言い渡されました。

「ラダー2本を使ってスタートから
足を地面につけずにゴールできるか」

まずは1人の子がラダーに乗り、一生懸命に動きますが思うように動かず、足がついてしまいました。
その様子を周りの子ども達はジッと見ています。

何人も挑戦しますが、なかなか進まず。
すると、1人の子がラダーに乗りながら、片脚を浮かせ、その間に浮かせた方のラダーを前に動かし、進んでいきます。
そのまま見事にゴール!
見ていた子ども達からは歓声が生まれました!

次に挑戦した子は先程のゴールした子のやり方を模倣し、進みます。
やり方を模倣しながらも、自分なりの動きも加え、ゴールする子もどんどん増えていき、すでにゴールしている子からは「頑張れ!」と応援する声が出て生まれていました。

4歳児は友達の意見があることは理解できますが、それを受け入れることは難しく、心で葛藤する時期です。
しかし、今回のように友達の「新しい考えや行動を受け入れる」ことで成功し、待っている子から自然に応援が生まれた姿が見られました。

このような経験を積み重ねることで、みんなで一つの作品を作るなどの活動の中で必要な協同性が少しずつ育まれていくのだなと感じました。

今回の活動で子ども達は
挑戦する・集中する・試す
何度もやり直す・模倣する
新しい考えや行動を受け入れる
うまくやれるといる自信を持つ
という学びのスキルを習得しています。
こんなに学びが多かったのだと振り返って改めて感じました。

今月も週に一度、運動遊びを取り入れ、活動しています。運動遊びがもたらす学びを大切に、これからも継続して続けていきたいと思います。

文責:田中

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