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2019.10.28
ブログ
ごっこ遊び ~3歳以上児リーダー便り~
きく組(3歳児)の子ども達は“戦いごっこ”が大好き。(特に男の子)室内で積み木や他の遊びをしていても、いつの間にか戦いごっこが始まり大暴れに。ご家庭でもこの様な光景ありますよね。少し前ですがNHKの『すくすく子育て』という番組で、子どもの遊びについて特集がありました。その中で、保育の専門家が戦いごっこと子どもの成長について話をしていたので、紹介したいと思います。
ごっこ遊びはとても知的な活動。見えないものを想像したり、別の用途のものを何かに見立てたり、自分ではない何者かのふりをしなければできない遊び。これは動物の中でも人間だけにしかできない精神活動なんだそうです。(この話だけでも、ごっご遊びの見かたが変わりますよね。)
戦いごっこは一人で上手に戦うふりをして見えない敵と戦う中で、いろんなことを学んでいます。まず『ふり』をするために、想像する力、生み出す力が必要。また、『ヤァー!』『トオーッ!』などと声を出して表現する力もあります。これを、友達と一緒にしていけば、言語の力、社会性なども身につきます。そして、子ども達の戦い方を見ていても、決して実際には叩かず寸前で止めようとする姿も見られます。そこで規範意識(社会のルール)も生まれてきます。
そして、戦いごっこ=ヒーローになりたがる!ということは『理想を描く力』が育ってきているからこそ。(特に4歳くらいの年齢)自分から進んで悪役になる子はいません。たいていはヒーローになろうとします。そして、だんだんと世の中にはどうもやっていいことと悪いことがあるということを分かってきます。その中で「自分はいいことをやる人間になりたい」ということを表現しているわけです。自分の理想を描く力、理想の人になろうとする力、そういう力を戦いごっこの中で鍛えているような気がする・・・。
(NHK番組「すくすく子育て」より)
戦いごっこも様々な視点からみることで、こんなにも子どもの成長・発達の力を促す要素があるんですよね!!なんとなく、見ているだけだと「怪我するんじゃないか」「友達を叩いてしまうのでは…」と不安要素ばかりが大人は積もりますが、そうじゃないんです。上記のことを意識しながらきく組の戦いごっこを見ていると、5・6人でしていても全員がヒーローなんです。しかも、それぞれ違うヒーロー。なのでポーズや技の表現の仕方も異なり個性が見られます。そして、技の寸止めも上手なんです。でも時には力が入りすぎて本当に蹴ったり叩いたりしてしまう事もありますが、そこは子ども同士で「本当に叩かないルールだよ!」「痛いじゃん!」と声を掛け合いケンカにはならないんです。規範意識が十分に育っているのを感じます。だから、戦いごっこの最中は保育士は見守りのみ!!余計な口出し手出しはせず、子ども一人ひとりの表現の仕方や遊び方をじっくり観察。日々、同じ遊びを見守り続ける中で子ども一人ひとりの成長や発達を感じることが出来ます。
そして、この戦いごっこが12月14日の発表会でヒーローショーとしてきく組の子ども達が表現することになりました。戦いごっこを発表したい!と決めたのは子ども達。どんな風に、みんなに見てもらうか…楽しんでもらうか…。日々、話し合いを重ねているようです。「剣を作りたい!」「盾を持ちたい!」「バンバン(銃)作る。」などの意見から、何の素材で作るのか素材研究したり、最近では衣装を着る!ということにも発展したようで、先日はカラービニール袋を使った衣装つくりをしていました。出来上がると「ゆり組さんに見せたい」と言って披露しに。そのまま全クラスをまわったようです。その中で、うめ組の子ども達には泣かれてしまったようで…。「顔を見えるようにしたらいいんじゃないか!」と子ども達なりに誰もが楽しく見れるように改善策も見つかったようです。日々の遊びから表現という形になることで「どんな風に自分なりのヒーローを表現しようか」「見てくれる人に、よりよく見せるには」と、考え工夫し創造していく。まさに『遊びが学び』になっている瞬間だと私は思います。
戦いごっこに限らず、ごっこ遊びは子どもの成長・発達を育む欠かせない遊びです。ご家庭で、なんとなくお子様がごっこ遊びを始めた時には、じっくり観察してみて下さい。“あ、こういう部分が育ってきてるんだ” “こんな言葉知ってたんだ” など発見があると思います。
12月14日のヒーローショーも子ども達がどんな表現をしてくれるのか。子ども達が日々遊びながら考えた表現を楽しみにしてください。