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2020.10.03

ブログ

ヒヤリハットを活かすため

9月26日(土)、保育園職員参加の園内研修を行いました。園庭を実際に見て回り園庭の危険箇所の確認、ヒヤリハットの共有を行いました。

目的は、「見守りを効果的に行う為、職員一人一人が危険箇所、危険な使い方を把握する」

見て回る中で、職員それぞれが感じたヒヤリハットや、過去の事故を共有することができました。そのおかげで、園庭の危険箇所の改善や使い方の明確化が行えました。

 

1 危険箇所をどう捉え、どう考えるか

 

強くたくましく、型にはまらない
野性味溢るる 子どもに育てましょう

 

これは、錦ヶ丘の園訓です。保育園には、土を盛って作られた築山や豊富な木々が沢山あります。園庭も広く、園庭端の木陰でお子様が遊んでいると、反対側からは見えない事もしばしばあります。更に、遊びは常に変化しますから、保育士もそれに合わせて見守る立ち位置を適宜変える必要があります。

見方によっては、園庭は危険でいっぱい。しかしその園庭が、強くたくましい身体と心の成長を促す遊びに最適な場所でもあります。

「木の根っこに躓いて顔を打つから、木を抜いてしまおう」とはいかないわけです。

 

そこで、今回は見て回る前に職員と「どのような場所が危険なのか、危険箇所をどのように捉え、どう考えて欲しいか」という確認をしました。内容は、以下の通りです。(参照:保育の安全研究センター)

 

①怪我、リスクの種類

生死に関わる状態に繋がるのは、頭部・腹部・窒息が殆どです。それも、見て分かる外傷ではなく体の中のダメージが原因です。

窒息には、食物や玩具の誤飲・誤嚥と首にひも状の物などが引っ掛かり締まる絞扼があります。

 

また、乳幼児が怪我をする確率が上がる状況は3つあります。

・自分でコントロールできない高さ(例:まだ登れないのに大人の手によって登ってしまったジャングルジムの頂点)

・自分でコントロールできない速さ(例:雨で濡れていつもよりスピードの出る坂道)

・大人が見ていない場所(例:周囲に見守りがない状態でのキッチン)

これらは全て、乳幼児の経験では予測できない危険が大いにあります。

 

②重大事故を防ぐために

ハインリッヒの法則というものがあります。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというものです。

重大事故を防ぐための一歩目として、「ヒヤリハットの数を集めること」が大切です。ヒヤリハットの数を集めるために障害となるのが、「楽観バイアス」。

人間は、「きっと大丈夫」「うちは、大丈夫」と楽観的に思い込んでしまう性質があります。

ヒヤリハットがどんなに小さなものであると思っても「もしかしたら、大変なことに繋がるかも」と共有して欲しい、と伝えました。

 

③危険な物は全部取り上げる?

最後に、危険だと感じた物をすべて取り上げずに、「子どもの育ち」にとって大切なものかどうか含めて考えたい、ということも伝えました。

すぐに禁止するのではなく、どのように使うのか?大人はどのように見守るのか?ルールがあるのなら、保育園内で(お子様も含め)どのように共有するのか?考えることが、大切だからです。

 

 

今後の取り組み

実際に見て回る中で、様々なヒヤリハットや考えを集めることができました。ここで終わらせず、今後に繋げていくため以下の取り組みを行うことにしました。

 

①ヒヤリハットを更に共有し、一カ月間のヒヤリハットを集計、回覧する。

何が起きたか・なぜ改善する必要があるのか・今後の対応策・その後の経過確認をまとめ、振り返りが行えるようにしました。

早速本日の職員会議で、9月分のヒヤリハットについて報告を行いました。集計も行ったため、配慮すべきことが全職員にとってより分かりやすくなりました。

 

②園庭の使い方マップを作成

園庭を見て回る中で使い方を再確認したり現状に合わせてルールを決めたりしたため、職員や実習生など新しく入った大人にも分かるようマップにしました。

また、園庭で起きた小さなヒヤリハットは付箋で共有し、都度集計することにしました。このマップを活用して転びやすい場所、時間帯などがより分かりやすくなり、改善の余地があるものは改善することをねらいとしています。

例えば、4歳児クラスでは、ここ最近の園庭で転んだ場所を確認した結果「水道裏のコンクリートの上を走った際に、砂で滑ることがある」ということが分かりました。そのため、コンクリートの砂は廊下掃除の際に掃うこと、鬼ごっこなど走る遊びは土のある場所へ誘うことを意識することになりました。

 

③使い方カード

登り棒、木登り、舞台下など、子どもだけで遊ぶには危険だと分かっている箇所には、ひらがなのカードを作成しました。

見守りに慣れない実習生など新しく入った大人にも分かるよう、理由も添えています。

イラストのないカードのため、まだまだ改良の余地がありそうです。今後も様子を見て変更していきたいと思っています。

 

 

今後も、お子様の安全と充実した遊びによる育ちのため、職員一同ヒヤリハットを大切に活かして参ります。 櫻田

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