お知らせ
2020.07.27
ブログ
桜島大噴火!保育園はどうする?
洗いたての車に灰が積もる…鹿児島ではよくある光景。見慣れた桜島が、実は危険な一面を持っていることを日々の生活の中で忘れてしまいそうになります。
7月22日(水)、「桜島の大規模噴火」を想定した避難訓練を保育園で行いました。
初めての想定でしたが、避難はとてもスムーズ!事前に桜島の大規模噴火について学んだこともあり、実りのある機会となりました。
何故、桜島の大規模噴火?
去年までは実地していなかった桜島の大噴火を想定した避難訓練。
今年から行うことにした理由は、桜島の大噴火が将来的に起こる可能性が高いことを知ったからです。
桜島は、多量な火山灰と溶岩を伴うような大規模な噴火が、約100年~数百年の間隔で起こっています。
―1955年以来、山頂噴火が断続的に続いており、降灰によって農作物に被害が生じているほか、噴石や空振によって島内の建物や車両に被害が発生している。
また、2006年(平成18年)には昭和火口が噴火を再開し、活発な噴火活動が継続している。とのことです。(鹿児島県地域防災計画 より)
過去の大規模噴火が起きる前の様子と、現在の桜島の様子は似ているそうです。
桜島の近くで生活する鹿児島県民として、大切なお子様をお預かりする保育士として、大噴火のことを知っておいた方が良いと思い今回機会を設けました。
事前の準備
初めての想定だったので、避難訓練までに下準備をすることにしました。
①桜島の大規模噴火による被害を知る。
・鹿児島市が出している「知る・備える・行動する”桜島の大噴火”~その時あなたはどう動く?」
※両方ともクリックで見れます。
上記2点を職員が事前に確認しました。
吉野地域では、50cm以上の積灰や噴石が予想されています。
50cmはおよそペットボトル二本分の長さ。50cmの灰が水を含んで積もると、木造家屋が倒壊したり、土石流が多発したりするそうです。
また、人体にも鼻や目・喉の異常などの影響が出ます。他にも車が走行できなくなる、農作物への被害が出るなどの影響が予想されています。
②非常食を知る。
市電が通る区域になると、積灰や噴石だけでは済まないかもしれません。
桜島の大規模噴火に伴い、地震(震度6弱)・津波・洪水などが発生するとのことです。
保育園に毎朝届く食材も手配が難しくなり、普段通りの給食の手配はまず出来ないと思われます。また、保護者の皆様のお迎えが困難となり子ども達が保育園に泊まる場合も考えられます。
そんな”もしもの時”に備えて、保育園では常に非常食の備蓄を行っています。
今年、5年間の保存期間を終えた非常食があり、入れ替えも兼ねて非常食をご家庭へ配布もしくはクラスで試食をすることにしました。
▶水かお湯を入れたら炊けるお米
③子ども達へ知らせる。
職員の準備が整ったので、各クラス子ども達へ「桜島の大規模噴火」の説明を行いました。
年齢に合わせて説明の内容は変えました。
・鹿児島市が発信している桜島の大規模噴火についての動画を見て感想を伝え合う
・保育士より桜島の大規模噴火や保育園に泊まる可能性について説明し、非常食の試食を行う
・どんな被害が起きるか保育士から伝える
などなどです。
実際に行ってみて
今回は噴火による倒壊などは無い想定で、噴石や降灰を想定して廊下へ避難しました。靴の着脱が無いことと、日頃から避難訓練をしているおかげでスムーズな避難でした。空振による窓ガラスの飛散や倒壊の危険性があった場合は、帽子や靴下が恐らく必要でしょう。
避難後に子ども達と振り返りをすると、「桜島がドーンって噴火するよ」「石とか灰とか降ってくるから、頭を守る」と事前準備が功を奏している様子がうかがえました。
クラスで試食を行った4歳未満児は、年齢的にも災害と結びつくのは難しい様子。しかし「おいしい!」「おかわり!」という好反応や実際に作ってみる体験から、被災時に食べる場面(無い方がいいのですが)を想像することができました。
保育園では、今後も避難訓練を継続して行っていきます。地震、火災、台風に火山災害も加え、日頃より被災時、被災後の動きについて知り、考え、備えていきたいと思います。
文責:櫻田