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2024.12.09

ブログ

この実、なんていう名前だろう?~主体性と探求心~

先日はフェスティバルへのご参加ありがとうございました。

こども達の日常の中での様々な表現をご覧いただけたことと思います。

今回は、2歳児の戸外遊びを紹介します。

こども達にとっては日常の遊びですが、不思議に感じたこと、発見したこと、もっと知りたいと思ったことなど、遊びの中で学びの土台となる要素がたくさんありました。

探求心の育ち

園庭で見つけた、小さい赤い実。

「これ、な~に?」と持ってきたので、「一緒にしらべてみよう!」と図鑑を広げました。

「みせて、みせて!ぼくがみる!」と、赤い実と図鑑の写真を見比べます。

周りのこども達も集まり、

「これ、赤いよ!」

「でもなんか違う」などと一緒に探しながら伝え合う姿もありました。

 

しばらくして、「みつけた!」とうれしそうな声が。見てみると、本当にこども達だけで似ている赤い実を見つけていたのです!

 

その様子を見て、「ぼくも実がほしい!」と1人の子が言いにきました。

一緒にその木にところへ行くと、「なんか葉っぱの形が違うよ!」と、調べたはずのクコの実の葉赤い実の葉の形が違うことが判明!

「本当だ!もう一回見てみよう!」と再度調べなおします。

頑張って調べたことが違っても、もう一度調べるという、あきらめない粘り強さはこのような経験でしか培えません。

クコの実、ヒヨドリジョウゴ・・・似ている実は見つけたものの、正解までは分からず。

しかし、「これ、なんだろう」という1つの疑問から「知りたい!」という探求心の成長がみえた瞬間でした。

 

こども達は1歳の頃から、自然環境、社会環境、園内環境の中で、「はっ」と気付き、「おや」と感じ、いろいろなことに興味をもちます。興味や驚きの心、感動した心は、環境にかかわる行動の最初の姿であり、科学する心の芽生えであると考えています。

こども達は、最初は、「見ている」というかかわり方から、次第に「自分もしてみよう」と思い、自発的に試したり考えたりしていくのです。こども達が生活している身近な環境から感じ取る心が『科学する心』の芽生えになっていくと考えています。

引用:乳幼児期のための「科学する心」ネットワーク 公益財団法人 ソニー教育財団

 

今回事例として挙げたものは、日常での遊びのひとこまです。

私は2歳児のこども達が、自分で調べ持っている実と図鑑の写真を比較し、特徴を見分けることが出来たことに驚きました。

興味を持ったことだからこそ、知りたい!という気持ちが芽生え、細かい特徴まで見分けるほど遊びこめたのだと思います。

 

主体性の保育というと「こども達が自由に遊んでいるだけなのではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。今回のように、日常の遊びの中でこども達が「知りたい!」と自分から思い、探求していくことこそが、主体性なのです。

保育者はこの主体性の育ちを促せるよう、こども達の姿や発達、興味に合わせて年間計画を考え、その計画に沿って促したい成長を『ねらい』として定め、毎日活動しています。

 

今回のように、こども達の興味や疑問をもった瞬間に気付き、すぐに答えを出すのではなく、一緒に考えたり、答えが出せるようなヒントを用意したりと遊びを通した学びが生まれるような環境の工夫も保育者の役割です。

 

錦ヶ丘の目指す園児像の1つに「学ぶことは楽しいと思える子」とあります。今後も私たちこども達が主体的に関わって生まれる学びを大切に、学ぶ事は楽しいと思えるような経験を重ねられるよう努めてまいります。

 

主幹保育教諭 田中

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