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2024.06.20

ブログ

さくら組 「おばけが出るぞ!」自分たちのバルーンの表現(運動会)

1.はじめに

 いよいよ運動会の日が近づいてきました!

さくら組の子どもたちにとっては、園生活最後の運動会!子どもたち21名がそれぞれの思いを胸にこれまで練習に励んできました。今回のブログでは、特に話し合いに時間をかけて子どもたちと作りあげた『表現 バルーン』に絞ってご紹介します。

 

2.きっかけは、憧れの気持ち

 「私たちはもうさくら組!」という自覚が、4月、5月の園生活で高まってきていた子どもたち。「さくら組といえば、バルーンだよね~!」と、全員が口をそろえ、自信をもってこの種目に挑戦しようとしていました。「今までのさくら組のお兄ちゃん、お姉ちゃんみたいにかっこよくバルーンをしてみたいな」という強い憧れの気持ちやかっこいい表現のイメージを全員で共有して練習がスタートしました。

 

 

3.子どもたちの学びの姿

①「この技に挑戦したい!」/自己決定

 「この技かっこいい!」「やってみたい!」と、動画を見ながら挑戦したい技を自分たちで選びました。

 また、曲決めでは、たくさんの曲を聞いて意見を出し合った末、1つの曲【異世界混合大舞踏会/星野源】に決定しました。「おばけがでるぞ~!」と子どもたちが大好きなおばけを連想しながら表現できることが決め手となったようです。

 技選び、曲選びの段階から子どもたちの「やってみたい!」「好き!」「楽しそう!」という思いが詰まった話し合いとなりました。

②「自分たちのバルーンだから!」/主体性

 子どもたちが挑戦したい技を、曲に合わせて割り振る作業は大人がしました。しかし、その後の練習では、極力次の動きの声掛けをしませんでした。子どもたち自身が考え、解決していく過程を意図的に作るためです。

自分たちのバルーンは自分たちでつくらなくては!という意識が次第に高まり、

「次はかめ(のポーズ)だよー!」と、友達が次の動きの準備ができるように事前に声をかけたり、

 

「(バルーンを)もっと引っ張ってー!」と、バルーンのたるみを感覚的に感じて修正をよびかけたりと、伝える言葉や内容が次第に具体的になっていきました。

 

③「ここが上手くできないんだよね、どうしたらいいかな?」   /対話、探究、分かち合い

 

 練習した後は動画でよかったところ、うまくいかなかったところを確認しました。少人数グループで話し合うことで、たくさんの子が感じたことを発表することができました。

 

「手を伸ばすタイミングが(という技)が揃ってないから、もっときれいに見えるようにしたい」

「わたしもそう思ってた!」

「難しいよね」

→「歌詞で『♪とまって~』ってあるから、そこの『て』のタイミングで手を伸ばすってみんなで決めたらわかりやすいんじゃない?」

「ここでキラキラポーズをするから、ポンポンを持ちたい!」

「たしかにきれいかも!」

→「ポンポンも作ろう!」など、

 

練習するなかで感じた難しいところ、新たな気付きやアイデアも子どもたちからたくさん出ました。

話し合いは時間を要します。けれども、子どもたちの思いやアイデアを言語化し伝え合うことができる大事な活動です。

「その動き、ぼくも難しいとおもってた」

「こうしたら上手くいったよ」と、

気持ちを共有したりアドバイスしたりすることで、全員でしている一体感や安心感が感じられていました。

また、出来ないことをそのままにせず、次にどうすればいいかを明確にすることで、

次の練習で「できなかったことができたぞ!」という達成感も得られていました。

 

4.大人の気付きと学び

 日頃から、さくら組の子どもたちは自分たちで考えて行動する積極的な姿、試行錯誤し修正しようとする粘り強い姿がありました。

今回、運動会の競技や表現を成功させるという共通の大きな目標に向かって、一つになって挑戦するなかで、さらに次のような姿がみられました。

・「わからないところをわからない」と安心して発信する姿

・できない子がいても決して非難せず教える姿

・個々に自分のパフォーマンスをしながらも友達を思って声をだす姿

 他にも素敵な姿を再発見できて、私たち大人は練習段階で感動せずにはいられませんでした。

さらに、話合いで子どもたち自身が生み出した解決策は、大人が教え与える解決策 よりもより子どもたちに深く印象に残ります。子どもたち自身が頭と身体をつかって生み出した知恵やアイデアは子どもたち自身の最高の学びだと感じました。

 

5.おわりに

 あえて行事が少ない錦ヶ丘で行われている行事、運動会。

1年前よりもこんなことができたねと子どもの成長の感じる節目ですが、本番だけでは見えない過程での子どもたちの成長をいかにお伝えできるかこそ、私たち保育者の役目だと感じています。

当日は、バルーンの話し合いで出てきた子どもたちのアイデア、その他の競技の詳細についても掲示します。

泣いても笑っても最後の運動会。当日はドキドキしてしまうかもしれませんが、せっかくなら楽しもう!を合言葉に子どもたちと楽しみたいです!子どもたちの生き生きとした姿をぜひご覧ください!

 

参考文献:『園行事を「子ども主体」に変える!』,チャイルド社,大豆生田啓友

 

文責:椎屋

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