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2021.09.06
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『みててね!』
『みててね!』
1歳児クラスでは、数名の子は自分がすることに『みててね!』と、自信満々に保育士に伝えてきます。例えば、少しの段差からピョンッと跳べるようになった時、段ボールを押す時、ブロックをはめ込む時、靴を履く時、など一人ひとり様々ですが…『みててね』と得意気な表情です。自信があるのでしょう、ちゃんと見ているよね!と大人を確認しながらチャレンジしています。
出来た時に、「すごいね!」「かっこいい」「素敵!!」ハイタッチ!その時々に合わせた言葉を伝えます。このやり取りが、しばらくは続きます。
この姿から「みててね!」について子どもの発達と照らし合わせてみます。
~自分でできる喜びを味わいたい~
子ども達は、一緒にできた喜びを分かち合おうとします。このような、相手と交わす共感のまなざしの回数は1歳3ケ月から6ヶ月頃が一番多いようです。
そのまなざしの多さに、大切な子どもにとっての意味…つまり子どもの願いが隠されています。何より自分で出来る喜びを味わいたいし、そして、相手も一緒に喜んで欲しいのです。そのまなざしには、一緒に喜んでくれるであろう相手への心の期待が、満ち溢れています。
だから「上手に靴はけたね、もう1つもはこうね。」「お片づけ上手だね、これも一緒に片付けようか」と、願いが叶った喜びを受け止めることからはじめましょう。「子どもの心に寄り添う」とは、まず子どもの願いの世界に入り、その願いを理解することから始まります。
そして、その願いの大切さを大人も理解できるなら、それがかなうように一緒に頑張ることであり、そして願いが叶ったことを我が事として一緒に喜び合えるような自然な関係のことではないでしょうか。このような寄り添う共感があることによって、子どもの中には「もっとがんばってみよう!」とする「心のバネ」が作られていきます。何ごとにおいても、「できた!できない!」という結果だけが大切なのではなく「できた」ことが子どもの心の中に新しい変化を生んでいることが大切なのです。
その「心のバネ」によって、子どもは自分の力で新しいことに挑戦し、自分を豊かにしていくことができるのです。
著:白井 正久氏 「子どものねがい 子どものなやみ」参考
日々の子ども達の姿から
1歳は自分の行動を承認してもらう経験から、自分自身を認めてもらう、自分って素敵だなぁ!自分ってなかなかやるじゃないの!と思う気持ちを日々丁寧に積み重ね育んでいく時期なのだと感じます。
上手くできなかったこと、失敗したことはこの年齢にはなかったことです。上手くできたこと成功出来たことが、全てです。自分の中の主人公は自分自身でしかないのです。
でも、その根拠のない自信が自分を認め自分を肯定する力の根っこを育んでいるのです。
そこには、一緒に見守って・共感して・喜びあえる大人がいることで、もっとがんばってみたい!という「心のバネ」が育まれていきます。この気持ちは、一人では感じられません。
一緒に喜んでくれる相手がいてこそ、湧き上がる気持ちなのです。
そのように私の中で学びを深めてから、「みててね!」という言葉、そのまなざしが大切で愛しいものへと変わりました。
自信たっぷり「みててね!」と言える子はもちろん、まだ言葉が伝えられず…でもまなざしでは「みててね!」と言っている子もたくさんいます。それを1つ1つ各担任が受けとめてくれたからこそ、言葉を獲得した時の「みててね!」に繋がるのでしょう!
これからも、子ども達の「みててね!」がたくさん聞こえる保育を、子どもの心に寄り添って行っていきたいです。
012歳児リーダー 中島