お知らせ
2021.07.28
ブログ
水遊び、数センチに潜む危険
今月9日の政府広報オンラインに、水難事故について注意換気をする記事が掲載されました。(→こちらを参照下さい)
今回は保育園に潜む「水の事故」の危険について書いてみます。
数センチの危険
応急処置や救命救急法の研修では、「子供は10~15センチの水、乳幼児では数センチの水があれば溺れる。」と教えられます。
保育園生活の中にも“数センチの危険”は潜んでいます。ビオトープやタライの水だけでなく、雨上がりの少し大きな水たまり、沐浴台やシャワー室のバスタブなどもそうです。このような環境因子がある事を十分に理解して、小さな出来事もスタッフ間で情報共有しながら、『溺水を起こさない!』を第一に子供たちを見守っています。
人は静かに溺れる
テレビや漫画などの溺れるシーンでは「溺れるー。だれか助けてー!」と大声を出して助けを求めるシーンを見たことがあります。しかし、これは誤解されやすいイメージで実際は大声を出すことはできません。また、大人であっても大きな音をたてて水面をバシャバシャと叩く事は困難ですし、周囲の音にかき消され、気がつかれない事がほどんどです。特に小さな子供は溺れたという状況を理解する間もなく、静かに頭から沈みます。「ほんの少し目を離した隙に。」という証言が多いのはその為です。
溺れかけた後にも注意を
溺水には大きく分けて2種類あります。溺れてもがいているうちに喉の筋肉が緩んで肺に水が入る湿性溺水と、溺れた際に水を飲んだ刺激で喉にけいれんが起こり呼吸出来なくなり、脳に酸素がいかなくなって意識を失って溺れる乾性溺水です。また、二次的溺水症状も観察が必要で、重篤なると肺炎や肺水腫(肺の中に滲み出た体液成分がジワジワとたまる状態)を起こすこともあります。溺れた直後には症状がなくても約72時間後までは子供の体温や呼吸状態、ぐずり、活気などを観察をして、「何かおかしいな」と感じたら医師の診察を受けましょう。
遊びの中で水になれる
子供たちの5感を刺激し、普段とは違った雰囲気を味わえる楽しい水遊び。お隣のこども園の園内から流れてくる自然の湧き水・水道水・タライに溜めた水・ホースで勢いよく撒かれる水…水の感じ方は、それぞれ違い、子供たちは夢中になって遊んでいます。
0〜1才のたんぽぽ組の子供たちも遊びの中で無理なく水に触れる事が出来ていると感じます。ビオトープの前で目撃した出来事ですが、年上の子が年下の子に「入ったらあぶないよー。」と声をかけているの見かけました。子供なりの経験の中で危険予測の視点も少しずつ育っているようで、頼もしいと感じました。子供たちが安全な水遊びができるよう、水遊びの危険を伝えていくのも大人の役割だと再認識しました。
お盆休みも近づいています。
水遊びの際は特にですが、お出かけ先でもご自宅でも子供から目を離さずに声かけをこまめに行うようにして、安全で楽しい夏をお過ごし下さい。
文責 大木