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2021.04.21
ブログ
築山でのエピソード
築山とは?
築山(つきやま)とは人工的に作った山で、測量の目的で作られたり、観賞用として庭園に作られたり、子供の遊具として公園に作られたりしたものがある。[ウィキペディアより抜粋]
当園の築山は、子どもたちにとって大人気の“あそび場”であり、“まなび場”です。よく観てみると、当園の築山は植えられた木の周り以外は“ツルツル テカテカ”で、雑草がほとんど生えていません。大変遊びこまれた築山なのだということがわかります。
ある日のエピソード
うめ組のRくんが築山を下山しようとして斜面に立っていました。そこにさくら組の友達が2人通りかかって「ここ滑るよ。」「お尻ついたらいいよ。」とアドバイスして走って立ち去って行きました。Rくんは一瞬そのさくら組の友達を横目で見ましたが、1歳の彼には少し伝わりにくいアドバイスだったようでした。Rくんは慎重にそーっと右足を出しましたが、たちまちズルっと滑って尻もちをついてしまいました。
「おっおー!」
感嘆の声を漏らし、キョトンと地面を見た後、お尻をついてずりながら移動して難所をクリアしました。下山してきた彼に「びっくりしたね。」と私が声をかけると喃語で何か話をしてちょっと照れたような表情で砂場に向かって走って行きました。
こころと身体と思いやり
このような出来事は、園内に置いては日常的なエピソードかも知れません。しかし、尻もちをついても泣かずに冷静に築山を下りてくるRくんの成長した姿に、私はふと感動してしまいました。ハイハイの頃から手足をしっかり使って登り降りした築山ですから自然とどうしたらよいかわかっていたのです。”お尻をついてずりずり滑って行けばいい→下山出来た♪→砂場に行く♪”というプロセスを、一瞬で選んで行動出来たRくんへの私の声かけは「びっくりしたね。」ではなく「下りられたね。どこに行くの?」が適当だったかも知れません。
颯爽と走って立ち去って行ったさくら組の友達も、かつては築山で転んでしまった経験があったことでしょう。だからこそ、困っていそうに見えたRくんを見かけて声をかける事ができました。年上クラス・年下クラス関係なく交流をしてあそび学んでいく中で、子供達なりの人間関係や思いやりが養われていきます。
新年度は始まったばかりです。暖かい日には子供たちは裸足で園庭に出ます!築山は足の裏の感覚を刺激するにはもってこいです。その日の築山の地面のコンディションに合わせて斜面や凸凹に挑んでいく子供たちの様子はたくましく、そこにバランスよく立つという事は子供達の成長にとって必要な体幹トレーニングの1つにもなっています。今年度もまたいろいろなプロセスの中で、元気にたくましく成長していってほしいと願っています。
お読みいただき、ありがとうございました。 看護師 大木