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2023.05.19
ブログ
さくらんぼ組(0・1歳児) 噛みつきについて
最近のさくらんぼの子ども達(1~2歳)は、友達と同じ場所で好きなおもちゃを使って遊ぶ・遊ぶ様子を眺めるなど、友達に興味を持つ姿が多く見られるようになってきました。
今回は、1歳〜2歳児までに起こる引っ掻きや噛みつきの様々な背景・起きた際の子どもへの関わり方をお伝えします。
◎噛みつきの原因
【自我の芽生え】
1歳半くらいから、自分の意思や自立心が強くなり、「自分でしたい!」「自分の(もの)!」と思いを強く主張する姿が見られます。友達の持っているものが欲しくなると欲しい気持ちがいっぱいで玩具を取ってしまう場面もしばしば。
一方で言葉は未発達で自分の思いをうまく言葉で伝えることができず、ついつい先に手が出てしまうことがあり、これが噛みつきや引っ掻きの行為になってしまうことがあります。
【友達への興味】
今まで一人遊びだったのが、友達の近くで遊ぶようになり同じくらいの年齢の子へ興味を持ち始め、関わることが増えていきます。初めての友だちとの関係、関わり方が分からず子どもたちにとっては、叩く・噛む・引っ掻くが自分の思いを伝える手段の1つになることがあるのです。
【繊細な心】
子どもたちの心は敏感で、お腹が空いていたり体をいっぱい動かせない日が続いたりすると欲求が満たされず心がイライラ。また繊細な子もおり、他者の負の感情を感じ取り、ちょっとしたことで噛みついてしまうことがあります。
噛みつきの理由
・友達の持っているものが欲しい
・友達に自分が使っていた玩具を取られた
・友達の手が目の前にあったから
・思い通りにならない
・もっと自分を見てほしい! など
◎園での対応
・噛んだ子に対して
手が出てしまった子を責めるのではなく、「嫌だったね」「あのおもちゃが欲しかったね」とその子の気持ちを言葉で代弁し、気持ちが落ち着くまでそばに寄り添い、手が出てしまった気持ち・感情を受容します。落ち着いてから「○○ちゃん痛いよ」「貸してって言おうね」と、噛むことはダメなことや自分の気持ちの伝え方を短い文で伝えるようにしています。
・噛まれた子に対して
噛まれたところの手当てと、「いたかったね」「びっくりしたね」と気持ちを代弁し、心のケアを丁寧に行います。
◎噛みつきや引っ掻きの対策
噛む事・引っ掻きが成長の過程といっても、子ども達の身体に何度も傷ができたり痕が残ってしまうことは私達もたいへん心が痛みます。大切な子ども達が安全に成長できるよう未然の対策をしています。
①環境構成
子どもたち一人ひとりがじっくりと遊ぶことができるよう、
少人数での活動を取り入れています。室内を2コーナーに分けることで人数が分散され、落ち着いた雰囲気で過ごすことができるようにしています。
②体をたくさん動かす遊び
開放感のある園庭でたくさん走ったり、リトミックを毎朝行い存分に体を動かしたりして、気持ちを発散できる遊びを多く行っています。また週に2回程運動遊びをしており、「どう登ろうかな?」「どうくぐろうかな?」と考えながら体を動かし集中して遊べる保育にも取り組んでいます。
③子ども達とのコミュニケーション
子ども達のコミュニケーション手段の幅が広がるよう私たちがモデルとなり、子どもとコミュニケーションをとる際は、身振り手振りも使いながら簡単で短い言葉で伝えたり、表情豊かに接したりするようにしています。
最後に
子ども同士のトラブルは、子どもにとって人との関わり方を学ぶ大切な機会です。成長の過程でもありますので、この時期の子どもたちの育ちと捉えて頂けたら幸いです。
今後も対策を十分に行い、噛み付きや引っ掻きが起きた時には職員で状況を共有・話し合い、安全な環境の中で子ども達が成長できるよう努めていきます。お子様のことで何か気になることがありましたら、いつでもお声がけください。
文責:中峯