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2019.04.27

ブログ

遊びは学び

堂園です。

今日は園内研修のため早めのお迎えにご協力いただきありがとうございます。

この1ヶ月、職員全員で、子供達が保育園に馴染んで行けるように必死でしたので、連休前にこの1ヶ月の保育の振り返りをしました。保育園の職員が年齢や経験を超えて一つのチームとして子供達の育ちを見ていくことを目指していきたいと思っていますので考えていることや気持ちを分かり合える事を大事にしたいです。幼稚園の説明会で配布した文章ですが新しい年度にあたりお伝え致します。

幼児期の教育に大切なこと(錦ヶ丘幼稚園・保育園)
幼児期の園での教育とは何でしょうか。その教育の質が高いとは何を意味するのでしょうか。
小さな子どもが家庭を離れ、家庭の外にいる様々な大人や子どもに触れ合い、一緒の過ごし方を学びます。オモチャの取り合いや遊具の順番をめぐってケンカが見られます。指導者はケンカを止めるのではなく、相手の意見を聞くことやどうしたら仲直りが出来るかを見守ります。
この世界中にある「もの」とは土や砂や水や風や動物や植物や、さらに人が作った道具や素材や仕組みなど無数にあり、その特徴を知って、使えるようになっていきます。小学校以上の教育はその上に立って、今度は教える内容を精選して、子どもがそこに集中し、系統的に学ぶのですが、幼児期はその前の時期として、身の周りにある様々な物事との付き合い方を学ぶ時期なのです。

暑い夏、寒い冬などまだ人生で何度も経験しているわけではありません。冬の外の寒さを知ることはもしかしたら、園に通って初めて実感するかも知れません。のはら園の生き物や植物に触り、ミミズに触り、ビックリすることもあるかも知れません。アゲハ蝶の幼虫がサナギになりやがて羽化していくのを実際に見る体験をしたり、「はらぺこあおむし」の絵本を読み聞かせてもらうなどの体験をしてから小学校に行くと理科の授業への興味関心がおのずと高まり集中力も高まります。
小さな積み木を丁寧に積んで、背の高さを超えるように出来るようにもなるでしょう。錦ヶ丘で使っている積木は巧みにデザインされていて、遊びながら実は数量・図形・立体の基礎や友人と協力しあって大きなものを作り上げる協調性を学びます。

小学校の理科で生き物について学ぶ前に、まず虫やミミズに触れることがあり、あるいは数学での論理の組み立てを知る前にどうすれば落ちないように精巧に積み木を積み上げていけるかを知るのが不可欠なのです。すべての学校の勉強はこの世界の成り立ちを解明するものであり、それが理解できるためには、まずはこの世界を成り立たせる様々な人や物との出会いが大事になるのです。出会い、発見し、気付き、出来るようになっていく機会が園にはたくさん用意されています。

その上で、自分がやってみたいことや作ってみたいことが園にいると、たくさん出てきます。年上の子どもがやっていることや先生が見せてくれることを自分もやりたいと願うからです。園では「遊び」を大事にするのですが、その遊びは例えば遊園地で乗り物に乗って楽しむこととはだいぶ異なります。乗り物で子どもが実際にすることは椅子に座り、回りを見ていることです。そうすると、自動的に椅子が動き、景色が変わって楽しいのです。園の遊びはそうではありません。積み木も砂場も子どもが自分で積んだり、穴を掘ったりして、初めて面白くなります。自分でやるからこそ、自分の力が発揮でき、さらにそれが伸びていくのです。(主体的)園での遊びとは、周りにあるもの・人へ能動的に関わることによって面白くなるものであり、だから、遊びを通して学ぶのだと幼稚園では言うのです。
さらに、楽しくて、もっとやりたくて、素敵ですごいものを作りたい・自分でもやってみたいとなるから、工夫もするし、がんばりもするのです。工夫するとは、頭を使うことです。脳の前頭前野という思考を司るところは工夫するところから伸びていきます。どうしてだろう、どうすればよいだろう、こうしたらきっといいよね、と何度も試しながら、自分で工夫し、また友達と相談し、先生からはヒントを出してもらって、自分で完成へと近づけていきます。(対話的・心情・意欲・態度)

園ではやり方がすべて決まっているものより、基本のやり方を先生に用意してもらいながらも、自分でどう工夫したらよいかという幅が大きいと、工夫する力が伸びます。それを先生が認めて、さらに発展できるように、次の活動へと教師は誘導していきます。

頑張る力が伸びるのもこの幼児期です。大事なことは、まず自分のやってみたいことがはっきりとあることです。憧れて、自分もやってみたい・作ってみたいとなって、その意欲が原動力となり、工夫につながり、最後まで粘り強く取り組む力へと広がっていきます。それらの力こそが小学校以降の教育の最も土台なるものであり、錦ヶ丘の教育の中核なのです。質の高い教育・保育のために教師は常に新しい試みに挑戦しています。

***補足***

⑴ 教育制度改革
2018年度  幼稚園・保育園・認定こども園に於いて 新要領に基づいた保育をおこなう
小学校は教科書検定を経て教科書選択
2020年度  小学校で新教育指導要領に基づき全面実施
アクティブラーニング・英語・プログラミング
2021年度 中学校で新学習指導要領に基づき全面実施
2022年度 高等学校

⑵ 非認知能力とは・・・・IQや学力テストなどの認知能力ではない以下の能力(Gutman,LM)

1自分に対する自信がある、やり抜く力がある   2 やる気がある意欲的である
3忍耐強い、粘り強い、根気がある、気概がある  4月④意志力がつよい、自制心がある
5自分の状況を把握する理解力            6リーダーシップがある、社会性がある
7立ち直る力がある                    8創造性に富む、工夫する ⑨好奇心

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