お知らせ
2019.12.24
ブログ
子ども達のもちつき会
12月6日に3歳以上児クラスを中心にもちつき会を行いました。毎年、保育士が準備や計画、片付け等を決めて進めていましたが、今年は全て「子どもの考え・アイデアを取り入れながら進めていこう!」ということに決めました。まずは、1週間前に各クラスもちつき会に必要な事や物、どんな風にお餅を味わうか等を話し合ってもらい係の私(中江)まで子ども達に報告してもらうよう各担任にお願いしました。その日の夕方、子ども達が私の所へ続々と報告に。「さやか先生、もちつき会話し合ったよ!まずは、あんこときな粉と醤油で食べます。」といち早く言いに来たのはもも組の子ども達。やはり食べる事が優先!「了解しました。それは食べる時のことだよね?じゃあ、食べる前の段階で必要な事はありますか?」と問い返すと「あっ!」と思い出した表情で「臼とペッタンするやつ。あともち米もいる。」と教えてくれました。そして数分後にはさくら組の女児2人が代表で報告に。ホワイトボードにメモしたものを見ながら丁寧に教えてくれました。さくら組の餅の味付けは種類が豊富。ジャムや明太子など私たちが考えないような味付け。そして、餅のつき方についてはもち米を炊いた場合と炊かない生米でつく場合と2通りでやってみたいと決まったようです。きく組は、報告はなかったですが後日クラスのホワイトボードを見ると味付けのところに「チーズ・味ぽん」と書いてあり、チーズの食べ方が分からなくてどのようにして食べるのか聞いてみると「あのさ、お餅をぺったんするときにチーズも入れてぺったんするの!!」予想とは違う答えにちょっと「な、なるほど!」と驚いちゃいました。餅つきに必要な道具などは去年の経験を活かし、子ども達も理解できていたようです。味付けは、【お餅に合う】という考え方よりも、家で食べた事ある物など食べた経験から『おいしい!』と感じたものを意見として出してくれたのかな~と感じました。
そして、会の数日前に臼を倉庫から出して準備。お昼寝から早めに目覚めた子ども達5.6人に手伝ってもらいました。とは言っても石臼の為かなり重い。みんなで持ち上げようとしてもびくともしない…。「どうしたら動かせるかなぁ」と呟くと「重すぎるよね~」「もうちょっと人がいたらいいんじゃない?」などの意見が。そして、子ども達は人集めに!保育士に「今、暇ですか?臼を出したいので手伝ってもらえませんか?」とちゃんと相手に伺ってから交渉をしていたようです。保育士を2人連れてきて今度は大丈夫!と子ども達も自信満々。みんなで試行錯誤している時に、持ち上げられないけど転がせる!という事に気付いた子がいて、転がしてうめ組横からさくら組の前まで移動することが出来ました。みんなで声を掛け合いながら移動し、【協力し合う】ことが出来ました。前日にはもち米の準備。さくら組の子がきく組にお米の計り方や洗い方を丁寧に教えてくれました。保育士の話を聞く時よりも真剣にさくら組の話に耳を傾けていたきく組。話を聞く時の目はまさに尊敬の眼差しでした。
準備も完璧に、無事に会当日を迎える事ができました。餅つきを前に、餅つきの由来ではないですが「なぜ、餅つきをするのか!?」子ども達に聞いてみると特に、さくら組は何となく分かっているようで「お正月がくるから!」という声が上がりました。その流れからお正月に飾るお餅の事を聞くと「あ、みかんが上にのってる!」と【鏡餅】の名前は出てきませんでしたが、形や雰囲気は理解しているようで絵に描いてくれる子もいました。話をしているともち米が炊き上がったので試食。「ちょっとベトベトするね~」と味だけでなくもち米特有の感触にも気付いていました。
さあ、いよいよお餅つき。まずは生のもち米をついてみる事に。自分たちでつきながら「なんか、違う…」と気付いた子ども達。5分くらいついても餅の粘り気は出ず。数人の子が「これさ、これじゃお餅にならないよ!」と声に出しました。すると、一人の男の子が「じゃあさ、これをもっかい炊いてからすればいいんじゃない?」というアイデアを出してくれました。「生のもち米はお餅にならないんだね」という失敗体験ではなく「できないならそれを炊いてみたらいいよ!」という解決策を提案する子ども達の考えの柔軟さに前向きさを感じました。
さて、次は炊き立てのもち米を使用。さくら組が交代でペッタン!ペッタン!少しずつ声の粒が無くなり餅の状態に近づき…。まだまだ細かい粒は残っていましたが「お餅になった!」「やった~」と子ども達は大満足。みんなで拍手でした。その後は、もも組・きく組の順で交代でつき。きく組には長い時間待たせてしまいましたが、「早くやりたい」「まだ~?」と言いながらも、順番が来るのをしっかり待つことができました。友達がお餅をつくと自然と「がんばれ~」や「よいしょ~」など励ましの言葉が飛び交っていました。
そうだ!きく組提案のチーズ餅も作ってみました。チーズを混ぜてついているうちにホワンっとチーズの香りが漂いもう美味しそう。味もバッチリで、丁度見に来たうめ組の子ども達も「ちょうだい!ちょうだい!」と大好評でした。
お餅を丸めてその流れのまま試食へ。丸める作業は、戸外遊びの泥団子作りが功を奏してみんなすんなり丸めることが出来ていました。遊びが学びとなり活かせた瞬間でした。味付けは、子ども達からの意見を給食室の先生方が全て準備してくれ、細かく名前も書いてありひらがなが読める子は「これはジャム」などと読みながらトッピングしてました。様々な味でお餅を味わうことができ子ども達の表情は笑顔が止まらない!そして食欲も止まらない!栄養士に確認したところ、3クラスだけで5~6キロのお餅を食べましたよ!と言われました。
お餅を堪能した後は、みんなで【味付けランキング】一人一人に一番おいしかったトッピングを挙げてもらい集計。何が1位だったと思います???なんと、なんと、「いちごジャム」だったんです!!ダントツの1位でした。ぜひ、これからお餅を食べる機会も多くなると思いますのでご家庭でいちごジャムでお餅!試してみてください。ある程度、食事が終わるころ「臼と杵を洗って片付けてくれませんか?」と全体に声をかけたところ、さくら組が積極的に片付けてくれました。最後の最後まで子ども達で成し遂げることができました。
今年のもちつき会、例年以上に楽しく!美味しい!会となりました。子ども達に任せることで、様々な意見が飛び出し準備から当日までとても積極的に取り組んでくれました。子ども同士の協力・年長児からの教え・斬新なトッピングの数々。活動を通しての子どもの考える力と学びは本当に素晴らしいです。
(文責:3歳以上児リーダー中江)