お知らせ
2025.06.23
ブログ
生き物に触れて(ゆり組)

ゆり組(2歳児)に進級し、早くも2ヶ月が経ちました。
最初は場所の変化や大人の入れ替わりに戸惑った様子も見られた子ども達でしたが、2ヶ月経った今では少しずつ慣れ、頼もしいゆり組のお兄さんお姉さんになってきました。
そんなゆり組の子ども達は戸外遊びが大好き!
春から夏に移り変わるこの季節。戸外にはたくさんの季節の花や果物、草や生き物など子ども達にとって魅力あふれるものが沢山あり、どれだけ遊んでも時間が足りないようです。
5月の初めには園庭に実っていた甘いさくらんぼをみんなで摘み取って食べてみたり、シロツメクサが咲くこの季節に四葉のクローバーを探してみたりと植物や食べ物に興味を持っています。
最近では、ゆり組初の散歩で買ってきた野菜の苗のお世話や園庭の草花の観察を楽しんでいます。ピーマンとナス、ゴーヤを植え、「おおきくなーれ!」とみんなで毎日声をかけながら水やりや草取りなどのお世話を頑張っています。
その他にも、園でお世話をしているコザクラインコのぴーくんを観察する様子や、梅雨のこの時期に見られるカエルやミミズなど生き物に親しみを持ち関わる子ども達の姿が見られ、私たち保育者も子ども達と一緒に楽しい日々を過ごしています。
「一緒に見てみよう」
そんな生き物や植物が大好きなゆり組ですが、中には苦手な生き物がいたり、観察するのは好きだけど触ってみたり掴まえたりするのは怖いと感じる子も少なからずいます。
子ども達同士でも「このお友達は虫が苦手なんだな」ということは雰囲気でなんとなく伝わるようで、「こわくないよ」「かわいいね〜」とお互いの気持ちを尊重しながら、無理強いせず遊ぶことができているようです。
ある日、築山へ行くと小さな蟻を見つけた子ども達。なかなか動く生き物を見つけることが難しいこの雨の時期に訪れた貴重な機会でした。
1人がじっとありの様子を見つめていると、他の子ども達も「なんだなんだ」と集まってきて最終的には5.6人ほどの集団になって蟻の行く方向へ必死に追いかけていました。
やっとの思いで捕まえた蟻だったのですが、まだまだ力加減がわからず弱らせてしまったようでした。嬉しそうに保育者に見せに来た子ども達も、1人の子が蟻の元気がない様子に気づき「ありさん、いてて(痛い)したの?」と尋ねたことをきっかけに、蟻の様子を見て「痛かったね」「よしよし」と口々に蟻を慰め始めました。
保育者の「ありさん、お家に帰りたいかもね」という声かけもあり築山の自然へ蟻をそーっと返し、「ばいばい」「元気でね」とお別れをしていました。
エピソードからも分かる通り、幼少期から生き物や植物に触れることは子どもたちにとってとても大切なことです。
幼稚園教育要領には次のように記されています。
自然との関わり・生命尊重
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心を持って考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。
子ども達が動植物と触れる豊かな経験を大切にし、「綺麗だね」「動いてるね」など小さな気づきを見落とさず、身近な環境から経験を通して学んだり気付いたりできるような保育を目指します。
ぜひ、ご家庭でもお子様が生き物や植物に興味を示したときには「素敵だね」と声をかけられてみてください。きっとお父さん、お母さんと動植物を見つけたという大切な思い出になると思います。
参考文献
- 領域 環境(無藤 隆 監修)
- 幼稚園教育要領
文責:鮫島