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2024.10.25

ブログ

「待つ」ことの大切さ

10月中旬、ゆり組のこどもたちと園庭で遊びました。その時に見られた友達同士のやりとり、保育者の関わり方の大切さについてお伝えいたします。

 

「あの三輪車に乗りたい!」

2歳児の間で人気の、赤い三輪車があります。こどもたちは園庭に出ると真っ先に取りに行きます。

ある日Aくんがその三輪車に乗ろうと三輪車置き場に向かうと、先にBくんが乗っていました。

 

三輪車に乗りたい人は2人いますが、乗れる三輪車は1台のみ。

 

Bくんは「ぼくが今使ってる!」とその場から離れていったものの、Aくんのことが気になったようで遠めからこちらを見ていました。

 

わたしはAくんの「三輪車に乗りたい」という気持ちを受け止め、いっしょに待つことにしました。

数分後、Bくんは何も言わずにAくんのそばに赤い三輪車を置き、貸してくれたのです!

 

しばらくすると偶然にも、もうひとつ三輪車が空き、三輪車に乗る楽しさをふたりで共有する時間ができました。

 

「信号が赤ですよ〜」「とまってください!」

数日後、園庭を通ると三輪車に乗って遊んでいる2人の声が聞こえました。三輪車に乗る楽しさを共有した2人は、更に想像を膨らませ、道路や信号機など具体的にイメージし、こどもたちの世界観の中で遊びが発展していました。

なにをどう見守り、待つのか

①自分の気持ちを相手に伝える ②相手の気持ちを知る ③自分が使っていた玩具を譲る

 

一見、とてもシンプルなやりとりに見えるかもしれませんが、2歳児にとっては自分と相手の気持ちを天秤にかけ、感情がたくさん動き、考えた数分となりました。

これまで0・1歳の時期に周りの大人に自分の思いを受け止めてもらった喜びから、自分の思いを安心して表現したり、相手の思いも大切にしようと思うことができたのだと思います。

 

この数分の出来事を通して、こどもたちが関わる様子を「見守る」「待つ」ことの大切さを改めて実感しました。

仮にもし私が「はいどうぞ」と三輪車を手に取って渡していたら、きっとBくんの心の揺れや葛藤は生まれなかっただろうと思います。

解決を急ぎすぎず、こども自身が葛藤に向き合い、折り合いのつけ方を学んでいく過程を大切にしていきたいです。

 

参考文献:社会情動的スキルを育む「保育内容 人間関係」編著 無藤隆 古賀松香

文責:引地

 

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