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2024.03.22

ブログ

0歳児の食育

私たち人間にとって、食べることは生きることです。

子ども達が豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていくためのベースとなるのが「食」であるとされています。0歳児では、「よく眠り、よく遊んで、お腹がすいたら食べたいものを食べて、また遊び、眠る。」ことを生活の基本として

①お腹がすくリズムをもつこと

②喜んで食べて、心地よい生活を味わうこと

③色々な食べ物を見る・触る・味わう経験を通して自分で食べようとすること

④食べたいもの、好きなものが増えていくこと

これらの姿が育まれていくように日々過ごしてきました。

離乳食から完了食・普通食へ

普通食に移行したての頃は、初めて触れる食材や味・感触に不安を抱き、警戒心から食材に触れようとしない姿もありました。しかし、砂(泥)遊び、水(氷)遊び、園庭の自然物などに触れて遊ぶことを通して、つるつる・どろどろ・ざらざらなどの感触を指先や手のひらで経験したことが手づかみ食べをする時の抵抗感を取り除くことに繋がり、今ではどんな食材も躊躇せずに触って口に入れることが出来るようになりました。友達が同じものを抵抗なく食べる姿を見て、食べてみよう!と手を伸ばすこともあります。触ることすら嫌がっていたのに…とその成長ぶりに心動かされる日々です。

好きなもの(味)が増えました!

様々な味や食感を経験したことで、好みもはっきりしてきました。酸っぱい味が好きな子、ぱさぱさした食感が苦手な子など様々です。

好きな味を知ったがゆえに、「今はこれじゃない!」と食べる前からお皿をどけたり、そっぽを向いて食べようとしなかったりする姿もあります。そんな時は強い味方の「お汁」です。子ども達はみんな、お汁が大好き。味噌汁であろうとスープであろうと、とにかくお汁を好んで飲んでくれます。先にお汁を目の前に置くと、すぐにスプーンで飲みはじめ、その延長でおにぎりにしたご飯を口にし、いつの間にかおかずもお皿から無くなっています。苦手な食材もお汁に浸しながらだと簡単に食べ終えています。

純粋に味が好きでお汁の中に食材を入れるのかもしれませんが、もしかすると前歯でかじり取ったり、奥歯ですりつぶしたり、飲み込んだりするという咀嚼や嚥下などの口腔機能にその子なりの難しさがあって、お汁に入れることで自分なりに食べやすいようにしているのかもしれません。細かく切ったりつぶしたりしてそれぞれに合った提供方法を工夫していますが、顎や骨格の成長につれて改善されていく部分もあるので、焦らずに様子を見守っています。食事のマナーとして、お汁の中に入れることは好ましい姿ではありません。ですが、今は自分が食べたいように食べ、満たされ、「食べることは楽しい」と思ってもらうことを一番に考えています。マナーは言葉でしてはいけない理由を伝え、理解できるようになった時にしっかりと伝えていきたいと思います。

食事を楽しむための3つの「間」

食事を楽しむためには①時間 ②空間 ③仲間 の3つの「間」を意識していくとよいと言われています。急かされたりせずに、落ち着ける空間で、安心して心を許せる仲間と食事の時間を過ごすということです。まさにご家庭の食卓は3つの「間」が揃った、子ども達にとって最高の場所なのではないでしょうか。毎日続くことですから食べムラはあって当たり前。あまり食べなかったとしても、大好きな人と過ごすその時間はきっと子ども達にとって楽しい時間なのだと思います。「食べさせなきゃ!」と構えずに、まずは大人が食べることを楽しむことが大事なのかもしれません。子ども達と一緒に食卓を囲み、話せる言葉が増えて、「この野菜なんて名前?」とか、「いつもより甘いね」など食材や味について話ができるようになる時に、より「食」に対する興味や幅は広がっていくのでしょう。食育もスポーツなどと同じように「楽しい」と思うことが出発点だと考えます。ぜひ、ご家族で楽しい食事の時間・空間をお過ごしください。

文責:上岡 参考文献:厚生労働省「保育所における食育に関する指針」

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