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2024.01.29

ブログ

主体的保育と環境を通した教育(保育)の大切さを考える

主体的保育を考える

私が保育士になりたての10数年前までは、一斉保育がほとんどでした。(一斉保育とは保育者が作成した指導計画に沿って子どもたちが一斉に同じ活動に取り組むこと)子どもたちに「○○しなさい」というような指示語が多く、子ども達をみんな同じように行動させなければとか、制作では必ず同じ物を作らせて差がないようにしなければ・・・子ども達を平等に育てるべきという考えが強く、主体的とは程遠い「させる保育」になっていたように感じます。

しかし、これまでの教える・させる教育のままでは、変化の激しいこれからの予測不可能な社会を子ども達が生き抜くことは難しくなります。今後はさらに単純な指示通りに行う仕事はAIが行ない、プレゼン力や創造力が必要となり自分で考えて行動することが大切になってきます。

そのため、これまでの教育の在り方が見直され、大幅に保育所保育指針・幼稚園教育要領等が2017年3月に大幅に改定、2018年4月より施行されてから保育は「させる保育」から「主体的保育」へと変化してきました。

主体的とは?

主体的とは自主性や自発性、アイディア力 社会で必要なコミュニケーション力などの非認知能力のことをいいます。現在認定こども園錦ヶ丘プラス⁺でも、カリキュラムを立てて子どもに合った保育の実践を行ない、その子の良さを見出し、粘り強く好きなことに向けて頑張る、目標を意識して頑張っていく力を育てています。

しかし、主体性を大切にするからといって何でも認める、やりたいことを何でも許して放任するのではありません。集団生活の中での秩序やルールの範囲で子どもたちが自分のやりたいことを選択し主体的に遊べるように私たち保育者は意図もって保育を行なっています。

 

錦ヶ丘プラス⁺での主体的保育の実践

活動の選択(自己決定能力)

私たち保育者は、子どもたちの意思や気持ちを尊重しながら、活動や遊びを子どもに選択してもらうようにしています。子どもなので、その時の気分で「やらない」を選択することもあります。その時はやりたくないことを無理強いはせず、その子がやる気になるまでじっと待ちます。苦手な気持ちを受け止めながらも、個々の発達に合わせて色々な活動をバランスよく経験出来るように配慮しています。

自分で活動を選択することで最後まで取り組む責任感や、小さな「できた!」という成功体験の積み重ねが自己肯定感を育て苦手な事にも挑戦しようとする力になります。

 

サークルタイム(思考力・判断力・表現力)

3歳以上児では日々の話し合いを通して「あなたはどう思うの?」「あなたはそう思うのね」と自分の意見を相手に伝えたり自分の意見を認めて貰ったりする経験を培っています。話し合いの中で友達の考えを知り、考えたり工夫したり自分の気持ちに折り合いをつけたりしながら友達と共通の目的に向かって最適解を模索します。

 

主体的に遊べる環境つくり

豊かな園庭環境

身近な自然の中で様々な動植物との関わりや季節の移ろい等、直接的な体験を通して様々なものに命がある事を知り大切にしようとする心を育てます。錦ヶ丘プラスの子どもたちは外遊びが大好き!園庭の草花や小枝等を使って自分達で遊びを作り出し工夫しながら想像豊かに遊びます。また、起伏のある園庭を走り回り、おにごっこをする等しながら体を動かして遊ぶので体幹が鍛えられていきます。

 

コーナー保育(遊びは学び)

子どもたちが興味ある事を深め十分に試すことができるように遊びのコーナーを設定しています。例えば製作の場合には、子どもたちが自分で作りたい物のイメージに合わせて素材や形を選び製作できるように色々な素材の廃材と用具(ハサミ・セロハンテープ・ガムテープ・のり等)を準備します。遊びながらどうしたらもっとうまく作れるか試行錯誤したり、物の性質を知り用途にあった用具の使い方を遊びの中で学んだりします。

一斉保育から主体的保育へ子ども達の変化

一斉保育では「先生、次は何したらいいの?」と指示がないと不安で行動できないことが多く「○○していいですか?」と、おとなの顔色を窺いながら生活する姿がよく見られていました。保育者の指示通りに生活し決まった遊びで遊ぶことが多かったので自分で考える機会がほとんどなく、少しでも環境の変化があると戸惑い子ども達自身がどう対応したらいいのか難しい様子でした。

しかし、主体的保育に移行してからは、子どもたちが自発的に友達と話し合って遊びのルールを決め、新たに遊びを作り出して遊んだり、どうしたらいいか困った時に自分で考えて乗り越えようとしたりする姿へと変化していきました。

そんな子ども達の変化を見た時に、私たち保育者が教え込む必要はなく、子ども達が考えたり試行錯誤したりすることができる遊びの環境を準備することが主体的な保育なのだと気付かされました。まさに子ども達は様々な遊びの中で、社会にでるための練習をしているのだと思いました。これから未来のある子ども達のために、環境を通して行う教育(保育)とは何か?日々追求しながら、その子らしさや多様性を尊重し、子どもたちにとってより良い保育を実践していきたいと思います。文責:迫田

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