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2023.10.31
ブログ
こども会議
今年1月、『こどもかいぎ』という映画を鑑賞しました。『こどもかいぎ』は、子どもたちが園で「かいぎ」をする様子を1年間に渡って撮影したドキュメンタリー映画です。
その中で生まれていた楽しい発想に、子どもたちってこんなことを考えているんだ!とハッとさせられました。同時に、子どもたちの無限大の発想や思いを知りたいと思いました。
さくら組(5歳児)で実戦!
朝の時間、子ども達と円になって休日のことや好きなことなど、一人ひとりが話したいことを自由に話しました。
話す中で、「なにか不思議だなっておもうこととかある?」と聞いてみると、「なんで虫に噛まれたら痒くなるのかな?」と一人の子から疑問が・・!
すると、この「虫にかまれたらなぜ痒くなるのか?」をみんなも考え始め、こども会議が始まりました。
こどもかいぎスタート
【なぜ虫に噛まれたら痒くなるのか】
「血を吸われたら、痒くなるのかな?」
「膨らんでから痒くならない?」
「血と痒くなる液を交換してるんじゃない?」
「もしかしたら、毒があるのかも」
「ぼくは、寝ている時にかまれることが多い!」
「わたしも!動いてないからかな」
「半袖半ズボンの時も、かまれるよ!」
「今暑いでしょ?蚊も暑くて喉が渇くんじゃないかな」
「僕たちは喉乾いたら水を飲むよね」
「だから、蚊は人の血を吸うのかな」
結局、なぜ痒くなるのか?に対しての結論は出ませんでした。が、それでよいのです。
「こどもかいぎ」のねらいは、正解や結論を出すことではありません。
自分の意見を持ち、伝え合ったり、友達の思いが違うこともあることに気付いたり、共感したりすることが大切です。また、自分の思いを伝えられたという自信から自己を肯定する力にも繋がってほしいと思っています。
「血と痒くなる液を交換している」
など、大人からは絶対に出てこない子どもならではの楽しい発想です。
"いつも全力で、まっすぐな子どもたちの姿には、「答えのない世界で、私たちはどう生きていくのか」を考えるためのヒントがあふれています。"(映画『こどもかいぎ』HPより抜粋)
まさに、園訓の「強くたくましく、型にはまらない 野性味溢るゝ 子どもに育てましょう」にある通り、既存の価値観のみにとらわれず、自分の意見をもって変化や変革を面白がる姿勢や、常に変動し、正解のない時代を生き抜く力があるということにつながっていくのではないかと思います。
錦ヶ丘プラスでは、乳児期から子ども達の思いを尊重する・受け止めることを大切にしています。正解・不正解なんてない、どんな意見も、「そう思ったんだね」とまずはその子の気持ちを受容します。このような経験を繰り返し、「どんな気持ちでも伝えていいんだ」という自己肯定感(ありのままの自分を肯定する・好きになる力)に繋がっていきます。
そんな乳児期を経て、幼児期になると自信を持って自分の意見を伝えられるようになり、友達の思いにも気付くことが出来るようになります。困難なことがあっても、友達と協力して同じ目標に向かって試行錯誤していく、この協同性こそ、就学前にとても必要な力になります。
小学校だけでなく、中学校・高校とまだまだ長い未来が待っています。こどもかいぎやサークルタイムを通して、自分の意見をしっかり伝え、どんな時代も生き抜けるような子ども達の土台を、この園生活で作っていきたいと思っています。
文責:田中