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2023.05.31

ブログ

さくらんぼ組(0歳児)〜手づかみ食べについて〜

今回は、錦ヶ丘プラスで大切にしている乳幼児の手づかみ食べについてお伝えします。

手づかみ食べ

錦ヶ丘プラスでは、乳幼児期から”手づかみで自ら食べる”ということを大切にしています。「食べることは生きること」人間が生まれながらにして持っている本能です。自ら食べ物を口に入れようとすることは、その子の意欲で口に運ぶことは主体的に生きているということです。

手づかみ食べは『自立への第一歩』。自分の命を守る「食べる」という活動を『自分でやるんだ!』という第一歩が始まるいうことだと言えます。初めて「自分で!」という意識が生まれ、自我や意欲が育っていくこの時期に「それはダメ!」「こぼすからやめて!」と初めて自分がやろうとすることを一番信頼するお母さんや保育者から言われると、子どもは「自分」を否定されることになります。すると自分に自信がない子、自分のやることに価値が見出せない子になっていきます。

私達も錦ヶ丘プラスの理念の元に、どんなに汚しても、こぼしても「美味しいね!」「自分で食べて偉いね!」と声をかけ、その子の意欲を尊重します。この食べる意欲が後々の「遊びたい」「〇〇やってみたい」と様々な活動への意欲となって自分の意思で自信を持って行動する全ての意欲に繋がっていきます。

 

手の指は突き出た大脳

『手の指は突き出た大脳』と言われるくらい脳の発達に大切な部分です。目の前にお盆で離乳食が準備されると、座って待つ子ども達は「早く食べたい!」と体を前のめりに手を出したり、声を出して催促してきます。食べたい意欲でいっぱいです。

初期食はペースト状ですが、まずはこの頃から指先でヌルヌル、グチャグチャ、ベチャベチャの感覚を手の平で大雑把に触れたり、掴む経験をします。

 

中期食になると親指や人差し指でコロコロサイズの小さい物が挟めるようになり、次に親指と人差し指と中指でつまめるようになります。徐々に指先の巧緻性(こうちせい)を高めていくのです。

また食べ物を口に運ぶ際の口元との距離や口の位置、どれ位の量が自分の口に入るかも経験を通して学んでいきます。私達は傍で見守りながら口に押し込み過ぎないように時には、さり気なく調整をしていきます。

 

テーブル全体をお皿として考える

生後10ヶ月から11ヶ月頃になると「自分で食べたい」と強い思いが出てきます。大人が食べさせようとしているそばから、自分で手を出して食べ始めます。もしも、その子どもの手を払って大人が子どもの口に入れてしまうと、それを口から出してでも自分で食べようとします。この強烈なまでの「自分で!」が完全に手づかみ食べに移行する時期だといわれます。

子どもはお皿の中の野菜も落とした野菜も関係なく口に入れます。「テーブル全体がお皿だ」という、この考えを元にどんなにこぼしても、ひっくり返してもテーブルを前もって消毒しているので私達も慌てる事も叱る事もありません。「こぼれたね」「落ちたね」と声をかけていきます。

お皿を投げる時期は机をお皿と考えて手づかみできる量を机に置いていきます。時には食べたくない野菜を掴んでポイポイと床に投げてみたり、お皿のふちの小さい物までも指先を使って必死に掴み黙々と食べる姿は、主体的に食べる意欲そのものです。

お皿が空になると、まだ食べたいと催促する子もいれば、手を合わせて「おしまい!」とごちそうさまの仕草で教えてくれる子もいます。好きな物を好きな量食べることをこの時期は大切にし、給食室にもたくさんのおかわりを準備してもらっています。

 

手づかみ食べを通して

手づかみ食べは五感をフルに使い、目で食べ物の色や形を認識したり、触ることで温度を感じたり、口に入れて固さや味を確認したりと幅広い刺激を受けていきます。自分で食べる事が出来た!という経験が、今後は戸外で葉っぱや小石を掴んだり、水遊び・砂遊び・絵の具遊びなどの感触遊びに抵抗なく遊び込めるきっかけになればと思います。  文責:大迫

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