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2019.06.20
ブログ
変わりゆく保育
新保育指針になり、2年目。保育園の保育も変わってきているなと、保育の現場にいながら感じているところです。しかし、まだそんなに新しい保育が世間に周知されていないのが現状というのも事実のような気がします。私達も他の保育園、幼稚園、子ども園が改訂された内容に沿って、どのような保育を行なっているのかわかりません。気になるところではありますが、錦ケ丘では保育園、幼稚園共に改訂された内容を意識しながら保育に臨んでいます。『子ども主体の保育』とは⁉️、どうすればいいか?を職員も試行錯誤しながら、計画して実践して振り返りを繰り返し行いながら保育を行なっているところです。
今まででしたら、保育士が考える保育を子どもに提供していました。例えば、みんなと同じようにハサミ、クレヨンなど使いながら作品など月毎に同じものを製作していました。もちろん、母の日、父の日のプレゼントもまだ、何もわからない0歳児のクラスでも製作して持ち帰らせていました。子ども一人一人の個性、発達など全く考えることなく、保育士側はそれをしなきゃいけない!という流れから製作の準備に追われて、子どもが見えていただろうかと思うこともあります。製作が苦手な子も嫌々ながら、その時間を過ごしていたかもしれません。
母の日、父の日も物がなくても、子ども達の感謝の気持ち『いつも、ありがとう????』の気持ちが育っているかが大事なのではと思うのです。子ども達自身がそういう気持ちが育って、何か形にしたいと思う時が子どもの中で製作したい!お手紙書きたい!似顔絵描きたい!という言葉が出るのだと思います。きっと、新入園児の保護者の皆様は、同じ勤務先の他の保育園、幼稚園に通っている子どもは父の日、母の日のプレゼントあるのになぜ⁉️と思われている方もいらっしゃるかもしれないなと思い、伝えさせていただきました。
職員も子ども自ら、『これしてみたい!』という意欲、『どうすれば、○○みたいになるんだろう?』という気持ちから、自分で図鑑を開き 調べてみよう!という探究心、自分の思いや考えを他の人に伝える力など、他まだまだ色々たくさん育ててあげたい!という気持ちから、環境の中に様々な仕掛けをしながら、数少ない言葉で子ども自身が遊びを考え、展開できるよう保育を行なっています。現在は、3歳以上児クラスは植物を使って、布を染めたりしているようです。最初は『色が薄いね。どうすれば、濃い色に染められる?』と話し合いを通して、水の量を減らしたりしながら、また再度挑戦していたようです。
3歳未満児クラスは、2歳児クラスになると会話も上手になり、夕方のサークルタイムではそれぞれ楽しかったことを恥ずかしそうにしながらも、みんなの前で発表しています。こういう積み重ねが、子ども達自身の生きる力になっていくのだと思います。0、1、2歳児は、保育士に気持ちをしっかり受容してもらいながら、気持ちを共感してもらうことで、自己肯定感がしっかり育って、それがこれからの成長する上で大切な土台となるよう保育士も意識して保育に臨んでいます。
今年度スタートして間もない頃、昨年度、卒園した保護者の方と話しをする機会がありました。『先生、ありがとう!○○(子どもの名前)、保育園で学んだことが役立ち、小学校でもちゃんとやっているみたい。私、心配で学校の先生に聞いたの。『あのー、うちの子 学校でどうですか?』って。そしたら、先生が『○○ちゃん、わからないことがあれば聞いてきたり、自分の思いもちゃんと伝えられていますよ。』って言葉を頂いたの。私としては、わからないこともそのまま言えずに困っているんじゃないかと思ったのだけど。ちゃんと、【伝える力】が育ってたよ!』と教えていただきました。
私も卒園した園児の保護者からそのような言葉をいただき、とても嬉しい気持ちになりましたと共に今後、そういう子どもが増えていくことを切に願うばかりです。
今までは認知能力に重むきが置かれていましたが、今後は世界的に注目されている非認知能力が重要となってきます。
非認知能力とは、感情や心の働きに関連する能力のことです。
「忍耐力・社会性・感情コントロール」の3つを中心として、下の図のようにさまざまな要素があります。幼児期に非認知能力を高める教育を受けると、成人後もその効果が続き、社会的な成功や健全な生活につながるという研究(ノーベル経済学賞受賞のジェームズ・ヘックマン)が有名です。
【非認知能力】
(図式 ネットより引用)
このような力が遊びを通して、身につくように私達職員も資質向上を目指していきたいと思います。
文責 :古市