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2019.04.13
ブログ
NO.2 主任だより 温かい言葉
主任、櫻田です。
職員室で全体の業務をするだけでなく、現場で毎日子ども達と給食を一緒に食べたり、様子を見てクラスの手伝いに入ったりしています。今週は、先週に比べれば少し落ち着いているかな…と思いきやそんなこともなく。担任と信頼関係を少しずつ結び始めている一方で、新入園児さんを中心に発熱したり体調を崩したりする子がちらほらと…。慣れない場所での一日は大人でも疲れますから、小さな子ども達にとっても疲れないわけが無いんですよね。そんな状態でしたので、各担任もひとりひとりに合わせて、遊びを提供したり休憩を設けたりと調整していました。
さて、最近家で少しずつ読み進めている本があります。「3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ」という本です。まだまだ読み途中ですので、結論までの感想を書くのは控えますが、読みながら前年度現場で気を付けていたことが蘇る内容でした。今も、前述した通りクラスに入るので、その際も意識して気を付けています。その、気を付けていることとは…言葉です。
例えば、0歳児の子どもの鼻水を拭きたい時に忙しさに追われてサッと拭くのではなく、拭く前に「鼻水が出てるから拭いてもいい?」「鼻水が出てるから拭かせてね」と声をかける…拭いた後に、笑顔ならば「拭いたら気持ちよかったねえ」と代弁する…嫌だったなあという顔をしていれば「きれいになったよ。ありがとう」「拭けてよかった~助かったな~」と声をかける…。そういった、温かい言葉です。この言葉の使い方は、外部研修や園内研修で度々言われていることで、私だけしているのではなく、園全体で意識して行われています。
そんな言葉の使い方を心がけた前年度、とても興味深い出来事がありました。三歳児クラスでしたので、丁度言葉と手を交えた気持ちのぶつかり合いが頻発する時期。「お友達の気持ちを考えて…」には、まだまだ程遠い年齢です。その為、ぶつかり合いの度に誰か泣いたり手が出たり怒気をあらわに保育士に言いに来たり…。
その度に、「嫌だったよねえ」「どうしたのかな、言葉で教えてちょうだい」と、こちらもつられてキツイ言い方にならないようにゆっくりと言葉をかけるようにしていました。(どうしても他の子の対応などに追われて自分の余裕がない時は、もう一人の担任にヘルプを出すことも…)
この関わりを繰り返すうちに、いつの間にか子ども同士でもこの言葉が聞こえるようになっていました。言い合いをして泣いている子に、他の子が寄って行って「いやだったよネェ~」と覗き込む仕草。さっきまで、その子との言い合い、あなたもしていたよね!?と内心少し面白かったですが、優しい言葉遣いの連鎖が起きているのだなあと感慨深い気持ちにもなりました。
…と、本を読みながらこのような事を思い出す一週間でしたが、つい先日参加した「知っておきたい 子どもたちの“こころ”公開講座」でも言葉について触れられていました。
講演は、福井大学教授友田先生によるアタッチメント(愛着)の視点から見た脳科学について、増田クリニック院長増田先生による乳幼児とゲーム・スマホについて、の二部構成でした。
1歳までに、脳は約7割まで成長するそうです。この乳幼児期に、身近な存在から適切なケアと愛情を受けることが必要不可欠とのこと。この時期に、極度のストレスを感じると、子どもの脳は自ら変形してしまうそうです。脳の機能にも影響が及び、正常な発達が損なわれ、生涯に渡って影響を及ぼしていきます…。
では、適切なケアや愛情とは一体?それが、言葉を含む関わり方による、アタッチメント(愛着)でした。
「言葉の使い方」「ほほえみあう」「見つめ合う」「手と手で触れ合う」「他の子と比べず、その子を認める」「子どもを支配しない」などなど…詳しい内容は、ぜひ友田先生の本や番組を見て頂ければと思います。
このアタッチメント(愛着)は、もちろん身近な存在である保育士にも求められること!改めて自覚することでした。
また、増田クリニックの院長・増田先生の講演の中では乳幼児とスマホの関係性について触れられていました。スマホ依存は年々増えているとのこと。スマホの長時間使用は、子どもの感情や睡眠、社会性など様々な悪影響を及ぼすそうです。
スマホ時代の子育てについて、国からリーフレットが出ていますので興味のある方はどうぞご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_use/h30/leaf/pdf/leaf-print.pdf
園でも、IT教育の一環としてスマホやipadを取り入れていますが、本格的に調べるなら図鑑を使ったり実際にその場に行ったりと、メイン活動の補助として使うに留める…ルールを決める(今のところ、保育士の見守り下で調べものをしたり、自分たちのダンスの様子を撮ったものを見返したりといったことに使っています)など、大人側が考えていかなくてはと思いました。 主任 櫻田