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2021.12.24
ブログ
横への発達の大切さ!
『障害を持った子ども達は、その障害と戦い、障害を克服していく努力の中に、その人格が豊に伸びていく。狭い人格でなく、豊かなあたたかい人間に育てたい。三歳の精神発達でとまっているようにみえる人もその三歳という精神発達の中身が無限に豊かに充実していく生き方があると思う。生涯かかっても、その三歳を充実させていく値打ちがじゅうぶんにあると思う。
「遅れている子ども」「劣っていること、できないことがある子ども」という、人と人を比較するような見方ではなく子どもはみんな「よくなろう」というねがいをもって、自己変革の途上で頑張っているのだという見方が生まれていくのです。
発達とは「できないことができるようになることだ」「直線的に上に伸びていくものだ」という見方がある一方で、発達はタテに伸びるばかりではなくヨコへの豊かさを広げる「横への発達」もあることを、子ども達の姿から発見していったのです。
糸賀一雄さんのことば「発達とゆうのは、はえば立て、立てば歩めという「縦軸」の発達だけじゃなくて、横に豊なものがいくらでも発達してゆくのだということ。それは何かというと、感情の世界をね、豊かにもっているということです。」
参考図書「やわらかい自我のつぼみ」 著書:白井 正久 引用
この文を読んだ時に、自分の心の中に納得できるものがありました。保育園の子ども達に置き換えるなら、一人ひとり発達・成長のスピードは違います、その子なりの環境の中で成長しています。
そこにはまさに私達が常に心に思っている、一人ひとりの発達は違う、一人ひとりのゴールは違っていい、あなたという存在は一人しかいない、だから一人ひとりを大切にみていきたいという同じ思いを感じました。
横への発達の充実を
日々の園生活でも、子ども達は昨日できたことが今日は出来なかったり、また出来なかったことがある日突然できるようになります、急にお喋りが盛んになったり…と、子ども達の成長は思いがけない瞬間にやってきます、これが「縦の発達」なのでしょう。でも縦の発達として表れるまでに「横への発達」を十分に蓄えている時期がそれまでにあったはずです。大人は縦の発達に目がいくのも事実です、なぜなら横への発達は日常の日々の積み重ねで豊かに広がっていくものだからです。
話さなくても友達や親・保育士の言葉をたくさん聞いている、トイレが成功するまでにも何十回でも便器には座ったことでしょう…洋服の着替えも何度も同じことを繰り返して少しずつ出来る経験を重ねていきます。そして、その時期の感情・心を様々な経験や人との関わりの中で豊かにしていったのだと思います。横への発達が豊かに充実した時期になると、縦への発達がより自信に溢れた確信を持ったものへとなり、成長への喜びと共に自己肯定感へ結びつきます。
保護者の皆様も、お子様の成長に不安を感じる時期、場面があるかと思いますが、発達の道すじを通っているかが重要です。一人ひとりのペースでいいのです、その年齢を充実して豊かに生きられるかが重要です…横への発達が豊かになることが、成長への大きな飛躍を後押ししてくれます。
いつか訪れる縦の成長のタイミングを、ゆったりとした気持ちで大人も待っていたいものです!
お子様の成長・発達でご心配な点がありましたら、担任までお声かけください。一緒により良い方法を考えていきましょう。
3歳児(きく組)での成長を感じる瞬間でした…
先日、3歳児(きく組)に入った時に、子ども達の成長を感じる出来事がありました。
朝、Yちゃんが元気のない表情で登園してきました、Kくんが「Yちゃんどうしたの元気ない顔してるよ?」と、声をかけていました、照れ笑いのYちゃん。
Kくんはいつの間にか…友達の気持ちを表情で読み取れるようになっていたのですね。ついこの前までは、涙することが多かったKくん。友達の言葉に出来ない感情を敏感に感じ寄り添ってあげていました。
また、ある日は、砂場でAちゃんが「どうしてそんなこと言うの!」と大きな声で叫んでいました。「どうしたの?」と声をかけると、場所の取り合いでもめている様子です。
Rちゃんは、「大きな声で言われて悲しかった!」と優しく伝えていました。自分の感情や気持ちを「悲しかった!」という言葉で伝えていたRちゃん、ケンカになるわけではなく、Aちゃんも落ち着いて話ができていました。
自分の気持ちを分かりやすく伝えるのは、なかなか難しいものです、それを3歳で伝えていたRちゃん、素敵なお姉さんになったなぁ~と、思うことでした。
保護者の皆様も、良いお年をお迎えください。
文責:012歳児リーダー 中島