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2021.09.29

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関わりから豊かな言葉、表現へ(うめ組・一歳児)

 先日、園内研修として講師・高山静子先生(東洋大学)のオンライン講座「子どもと保護者への関わりを学ぶ」を職員一同、受講しました。(主催:こどものとも社)保育者としての言葉かけ、関わり方を考える機会となりました。

子どもにとって保育園は初めての社会であり、保育者は日々の中で深く関わりを持つ他者です。

そんな子どもたちには保育者の関わりは、子どもたちの一生に影響するとありました。保育者からの言葉、保育者がしていることが、子どもの自分に対するイメージや子どもが人と関わるときの行動・価値観に影響などを及ぼすそうです。

最近、子どもたち同士での言葉のやり取りが盛んに見られるようになってきました。

子どもが友だちへ興味を示し、友だちが困っているとすぐに気付き「だいじょーぶ?」と顔を覗いたり、眉を下げて困った表情を一緒に浮かべ「いたい?いたいね」と友だちの気持ちに共感し何度も頷いたりしています。

下の写真は、雲梯での遊びを楽しむ子どもたちの様子です。保育者は子どもを持ち上げて子どもが両手で棒を掴んだことを確認し、子どもの力で動けるようにそっと体を支えます。保育者の補助の下、腕や足の力を使いながら安全に棒から棒へ片手ずつ移動しています。この時に、無言で支えるのではなく「ぶら下がれたね」とできた喜びを共有しています。

その後、Aちゃんは自分で棒を掴もうと、ジャンプしていました。すると、Yちゃんは保育者がしていた様に、Aちゃんを後ろから持ち上げようとしています。

「届かない!」とAちゃんが高さのある柱の上に乗ると、Yちゃんは棒をしっかり掴めるかAちゃんの様子を心配そうに見守っています。

Aちゃんが雲梯の棒を両手で掴むと「すごーい!やったね!」と拍手して喜ぶYちゃんの姿がありました。

 このように、子どもは有能な学び手です。年上の子どもたちに憧れを抱いていたり、「自分でできた!」が増える事に喜びを感じたりしています。そのため、子どもにとって憧れの行動モデルとなるのは身近な保育者が最も影響を受けやすい存在です。

例としてこの場面でYちゃんは、行動モデルとして保育者の子供を補助する姿(行動)と言葉を捉えていることが分かります。

子どもの語彙数や言葉をより豊かにするには、保育者が一方的に話しかけては意味が無いそうです。また、保育者の問いかけに子どもが「はい」「いいえ」で応えられることも子どもの脳の発達には効果が無いと学びました。

遊びを通して子どもが今、興味を持っている「もの、ひと、こと」について、保育者が応答的な関わりをすることが、相手を尊重し自己決定を促す関わりになります。すなわち、子どもが「はい」「いいえ」以外の言葉で一緒に話す(会話のキャッチボール)ことが大切だそうです。

 この研修を受講してから、より子どもが自分の言葉で気持ちや考えを表現し伝えられるよう言葉掛けを意識し、子どもと対話(コミュニケーション)を図り、子どもの自律性や関係性、有能感が育まれるように努めていきたいです。

(引用 「改訂 保育者の関わりの理論と実践」高山静子 郁洋舎)

(文責 松添)

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