さくら組 主体的な活動は自己決定の連続②

先月のブログでは、『子どもたちが主体的である』ということは、「自己決定」=「思考や行動面での自由な決定」を活動のなかで繰り返しているとお伝えしました。

具体的な自己決定とは、

・活動の選択の自由

・発想や判断における自由

・検証や評価における自由

などが挙げられます。

日々の生活のなかで自己決定を繰り返し、主体的な学びをしていくことの大切さについては、先月のブログをご覧ください。 〈さくら組 主体的な活動は自己決定の連続① こちらから〉

今月は、実際の活動から、子どもたちの自己決定している様子、その際保育士が心掛けている環境づくりや関り方についてお伝えできればと思います。

 

①実際の活動中の自己決定の場面

活動の選択

さくら組では、毎日、必ず子どもたちに「今日はどんな活動をしようか?」と一緒にしたい活動・遊びを出し合い、その中から一人一人したい遊びを選択します。

週間計画を立てることで前の週から子どもたちが興味のあることはだいたい把握していますが、その日その時によって子どもたちが「やってみたい!」と感じることは変わってきます。子どもたちも、選択肢のなかから、自分が1番したいこと、もしくは、友達と1番楽しめることを選択して決めています。

 

発想や判断における自由

子どもたちの主体性を尊重すると、あらゆる場面、状況で発想や判断を子どもたちがしています。例えば、どんな素材・材料を使うか、どんな形・大きさにするかなどもその一つです。

下の写真はミニ運動会前の応援用の旗づくり。共通しているのは、「手作りの旗を振って応援したい!」という気持ちだけです。

 

絵の具で絵を描く時間も、何に描くかなどの素材の選択の自由、何を描くかなど発想の自由

、色や水をどう足すかなどの判断の自由があります。

活動によっては、お手本を提示することもありますが、「私はこうしたい!」という思いがのびのび現れており同じ作品が一つもありません。

 

 

検証と評価における自由

活動の後に、再度子どもたちを集めて、大人から「ここがよかったね」「ここはもうちょっとこうしてみたら」

などの声掛けはしていません。大人が「いいね!」といっても、子どもたちは「もっと(次は)こうしたいんだ」など、満足してない場合さえあります。

「うまくいった!」という達成感、満足感を得られているかどうかは、子どもたちの表情から察することができてます。

 

自由な自己決定=好き勝手???

子どもたちが主体的であるようにと、上記のような選択の自由を意識して活動を考えていますが、

あえてそのそのような活動を中心にしているのは、自己決定の生活を積み重ねることで

一人の人間として自覚を持ち(自己意識)、自分自身のものの見方を持つことにつながっていくからです。

「大人になったら、好きなことばっかりできるわけがないのに…」

「自分のしたい事しかしなくなるんじゃないか…」

といった、不安も沸いてくるかもしれませんが、

子どもたちがこれから飛び込んでいく新しい世界は実に不揃いな世界であり、

横並びに生きていける世界ではないように感じます。そんな、大人の私たちでも予想できない未来を生きるためには

まずは、個々にしっかりと自分のものの見方をもったうえで、「自分でやれている!」という、自信や有用感の積み重ねが

より重要ではないかと感じています。

 

②保育士が心掛けていること

直接的ではなく間接的に

権威者としてではなく援助者として

子どもたちの自己決定が、大人の定めたレールの中での限られた範囲でのものであってはいけないと感じています。

自己決定しながら進めていく主体的な活動の中で、それぞれ手や身体、頭をフルに動かし試行錯誤しながら自分なりの答えを出せること、それぞれにとっての喜びや驚きを得ることに繋がることがとても大切。

だからといって、子ども自身の選択、発想、判断を尊重するということは、保育士が保育を組み立てたり子どもたちをまとめたりすることを放棄しているわけではありません。

一方的に指導するだけの『権威者』としての直接的な指導ではないのですが、

主体性や意欲を高めるために活動や環境を周到に準備し間接的に子どもたちを伸ばしたり、そっと寄り添える『伴走者』、『援助者』という感覚でいたいと感じています。

魅力ある活動の準備

上記した間接的な保育にも共通しますが、環境をいかに準備できるかも主体的な子どもの姿を引き出すためには重要です。

子どもたちの興味は多岐に渡ります。限られた選択肢のなかで仕方なく選ぶのではなく、子どもたちにとって選択肢のなかにいつでもワクワクする活動があるように心がけています。

子どもたちがすぐ活動に入れるような材料の準備はもちろんですが、子どもたちの発達段階、好み、活動の展開状況などを見ながら、提供するタイミングや素材の種類を見極め、環境に変化をつけています。

失敗する権利の尊重

主体的な活動、自己決定を尊重すると同時に、

失敗する権利を尊重することを心がけています。

「自由にしていいよ、でも責任は自分でとってね」

なんて、伝えたら子どもたちは自分で決める喜びを感じるどころか、萎縮してしまうことでしょう。

また、先回りして安全面以外のことで、「◯◯はしないでね」と言わないようにしています。

何倍も長く生きている大人にとっては見通せていることでも、子どもたちにとっては初めての経験かもしれません。

「そんな使い方をしたらもったいない」

「こうした方がいいよ」など、

大人がこれまでの経験から得た価値観(特に道徳的価値観)を子どもたちに押し付けないように心がけています。

このような声かけをして、

夢中で画用紙をハサミで切る勢いが止まってしまう、

綺麗に塗ろうと頭で考えすぎて筆が動かなくなる、

そんな小学生に、学生ボランティアをしていたときにであったことがありました。

特に幼児期の子どもたちにとっては、自分の行為が、(自分にとって、もしくは世間的に)成功なのか、失敗なのかさえわからない新しい挑戦の連続の日々です。

なるべく、大人の声、価値観に影響されないで、目の前の活動や対象と向き合い、何度も何度も試行錯誤しながら失敗を楽しむくらいの活動をしてほしいと感じます。

 

最後に

今回二回にわたって『主体的な学び』をどう捉えているのか自分なりに整理ができました。

主体的に活動する子どもたちが集まることで、『協同的な学び』というのも、深まっていくのだと思います。そのためにも、まずは一人一人が日々楽しいことに夢中になれる、自分で決められることを大切にしていきたいと感じました。

 

椎屋