3歳4歳心の育ち ~揺れながら葛藤~

3歳児クラスの保護者から「最近、言い出したらきかなくて」「気持ちの切り替えがなかなか出来なくて泣き続けることが多くて」など子どもの成長には欠かせない【イヤイヤ期】の延長のような相談を耳にします。どのご家庭も、この様な子どもの姿に悩んだり困ったことが1度はあると思います。これは、ご家庭だけでのことではありません。保育園でもみんなこの姿をしっかり見せてくれます。しかし、安心できる大好きなお母さん達だからこそ120%の力で自我を主張し困らせてしまうことでしょう。保護者の皆様の「もう…どうしたら…」と悩む気持ちお察しします。

 

今回は、3歳4歳の子どもの心の育ちについてある保育著書を参考にお伝えします。

 

まずは、年齢を少しさかのぼって。【イヤイヤ期】=【自己主張・自我の始まり】ですよね。これが子どもの中で誕生するのは言葉をしゃべり始める1歳半ころと言われています。とにかく自己主張の塊のようにだだをこね、泣いて要求を通そうとする姿が1~2歳の時期にはどの子にも見られます。この時期の子どもとの関わりで大切なのは、子どもの自我を「受け止めて、切り返す」ということ。しかし、子どもの自我を受け止めているつもりでも実際には「受け流して」いる場合が多いようです。

「受けとめる」

・子どもの要求を「あなたはこうしたいんだね」と言葉で共感的に意味づけ直し、行動の背後にある願いへの理解を届ける関係。

「受け流す」

・子どもが「イヤ」と言えば「やらなくていいよ」と言い、「これが欲しい」と言えば与える。子どもの言いなりになる関係。

 

「受けとめる」のコツとしては、子どもが言ったことを少しゆっくりめに小さい声で返す。子どもがその言葉に反応したときもう1度子どもの言ったことを受けとめ、「でもね…」と優しく切り返す。その中で子どもはまず自我を受けとめれる心地よさを感じます。

そして、「自我」の世界を親や保育士周りの大人が丁寧に「受けとめて、切り返す」「受けとめて、意味づけし直す」というかかわりを繰り返すことで、今度はそうやって「切り返され」「意味づけし直された」世界が「社会的知性」として子どもの中に位置づいていきます。これは、3歳ころに子どもの中で明確に自覚されるようになっていきます。

*社会的知性とは・・・「このおもちゃで遊びたい。でも片付けしないといけない」「あれが欲しい。でもほかの友達が使ってるから我慢しないと」という気持ちの芽生え。社会性です。

 

そんな時期を経て3歳~4歳を迎えます。時に強烈な「自我」が現れる一方で、確かな「社会的知性」が育ってきます。自我と社会性知で揺れながら生きるのがこの時期。この著書の中で3歳児を『自信と誇りの世界を生きているのが3歳児』と表現しています。「絶対にできないよな」と大人が思っても「ボク、デキル」と自信たっぷりに宣言します。とにかく思い浮かんだこと思ったことはなんでもできそうな気がするようです。私はこの「自信と誇りの3歳児」という言葉を聞いたときに、保育園の3歳児の子どもの姿を思い浮かべおもわず納得!!自分の思いが1番。正しい。言い出したら納得するまで泣き続ける。2歳のころのだだこねと違うところは、自分に自信と誇りがあるからこその主張!というところでしょうか。そういう世界感で生きながら、3歳児は人間として必要とされるすべての力が大きく育つ時期で、「未来」を想像する力、世界を論理的に整理する力、物語に感情移入してストーリーに生きる力、これらの力を大きく伸ばし発達しているのが3歳児たちなのだそうです。ここに少しづつ「社会的知性」が身についてくるため「○○したい!したい!でも、でも、したい!したい!でも…」と大きく揺れながら自分の中で葛藤するのでしょうね。

そして4歳を迎えるにつれ、しだいに「できること・できないこと」が見えてきます。「願望や理想の世界」と「現実の自分」との間のギャップに悩み、それを調整することが発達の課題となってくるのです。そしてその葛藤を克服する過程で、個性(心)の原型が作られていくそうです。

 

少し専門的な言葉が多く、長くなってしまいましたが3歳4歳の心がどのように育っていくのかほんの少しでも見えたでしょうか。

 

子どもが思い通りにならなくて、どうしようもなくて泣いて泣いて…と手に負えなくなった時、ふとこの心の育ちを思い出してください。そして「あ、自信と誇りで生きてるんだな~」「自我と社会的知性の中で葛藤してるのね…」と子どもの心を読み取ってみてください。「心の成長をしているんだね」って考えたら、ほんの少しでも、保護者の皆さんが冷静になってゆったりした気持ちでお子様に関われるかな~って思うんです。でもでも、それでもやっぱり…と日々の子育てで困ったことや悩みがあったときはいつでも声かけてくださいね!!お話聞きます。

(文責:中江)

(参考文献 「0歳~6歳心の育ちと対話する保育の本」)