さくら組 主体的な活動は自己決定の連続⓵

今回の世界的なコロナウイルスの感染拡大の影響から、日本でも、暮らし方、働き方、そして学び方が変わろうとしているのを感じます。

これからより予測困難で複雑な社会となっていくであろう未来を生きる子ども達に、

今、保育の中で私たちができることは何かを改めて考えたり、

今大事とされてる保育の考え方を自分なりに整理してみました。

『さくら組 主体的な活動は自己決定の連続』というタイトルで、2回のブログに分けて記したいと思います。

 

■予測困難な社会を生き抜くために必要な力

日本では、2017年度に保育教育のガイドラインが改訂され、

「育みたい3つの資質・能力」として

●知識及び技能の基礎

●思考力、判断力、表現力等の基礎

●学びに向かう力、人間性等

が掲げられています。

ベースとなる知識や技能の習得はもちろん必要ではありますが、

既存の知識の詰め込みや習得で終わるのではなく、

答えの出てない問題を解決するために

習得した知識や技能を活かす力、

粘り強く問題解決に向かう力のこと

だと解釈しています。

粘り強く問題解決に向かう力は、

「社会情動的スキル」「非認知能力」とも呼ばれます。

この非認知能力は、幼児期に大きく育まれ、

脳の生理的メカニズム上、大人になってから身に付けることは難しいそうです。

3つの資質・能力も「~の基礎」とあるように、幼児期の遊びや生活のなかで育まれたものが

小学校以降の教育、生涯を通して育まれていきます。

私たち大人がこれまでに受けてきた教育の中での大きな評価基準であった

テストの点数や偏差値などの数値では、測ることのできない力の育成が

より重要視されていると感じます。

 

■3つの資質・能力を育む手法「アクティブ・ラーニング」

先述した力を育むための方法として「アクティブ・ラーニング」が近年の学校教育でも取り上げられています。

簡単に言うと、先生から一方的に知識や情報を与えられる受け身の授業スタイルのなかではなく、

子ども達が課題に基づいて友達と対話しながら協力し、試行錯誤しながら答えを探す学習のなかで学んでいくスタイルです。

保育の現場でも、遊びや生活の中でアクティブ・ラーニングを取り入れ、「主体的・対話的で深い学び」に繋がるよう心掛けています。

「主体的な学び」

「対話的な学び」

「深い学び」

これらは、どれも一つ一つ丁寧に解釈していかなければならない奥深いキーワードだと感じています。

前置きが長くなりましたが、このような理論、方法を踏まえ、実際の保育を考えた時に

私自身が、「子どもの主体的な学び」を現在どう解釈しているのか再確認してみました。

 

子ども達が主体的になれるように、私はどのような環境を意識している?

子ども達が主体的な学んでいる姿って、実際どのような姿?

遊びの中で子どもが何ができているときに、主体的に学べていると判断できる?

などです。

 

私の中では、

子ども達にとっての「主体的」かどうかを考えるときに

自己決定」というキーワードが欠かせないように感じます。

 

■自己決定=行動や思考面での「自由」

自己決定とは、言うまでもなく「自分のことを自分で決める」という意味です。

錦ヶ丘保育園では、1日の生活の中でも、自分でもしくは自分達で決める瞬間がたくさんあります。

↑の写真では、保育室の外で昼食を食べ始めている子もいれば、まだまだ室内で遊びを続けている子もいます。

生活の中では、基本的に子どもたちが「お腹がすいた!」と感じたタイミングで食事をします。

また、遊びでも、

今日は何をして遊ぼうか、自分で決める。

どんな道具や材料を使おうか、自分で決める。

想像したこと、閃いたことをどのような形で表現するか、自分で決める。

といった具合です。大人があらかじめ用意した活動をただただするのではなく、

全ての選択に1人1人の「してみたい!」「挑戦したい!」という気持ちが含まれています。

時間や見守る大人の人数によって、同時に選択できる遊びの種類などが少し制限されることもありますが、

極力子どもたちのしたいことが思い切りできる環境や時間の準備を心がけています。

ここでいう自己決定というのは、

活動の選択発想判断検証(特に年長児)や評価の面においての自分で決める

行動や思考面での自由と言い換えられます。

 

■自己決定理論によると…

「自分たちのことは自分達で決める」、そんな日々を積み重ねていくとどうなるのでしょうか。

 

学習心理学の動機付け理論の一つである自己決定理論では、

⓵自律性(自分でできる!)

②有能感(うまくできる!)

③関係性(大切にされている!)

の三つの根源的な欲求が満たされるときに、

内発的に動機付けられ、能力を発揮できると考えられています。

つまり、自分で決められる、自分はうまくやれるといった実感をもてているときに、

人は内側から力が湧き、本来持つ力を発揮できるというのです。

【高山静子 『保育者の関わりの理論と実践 教育と福祉の専門職として(2019)』より】

保育士の関わり方を含め、環境を準備することで

子どもたち一人ひとりが自己決定を続けていく経験を積み重ねることができ、結果として内面から個々の力を発揮しやすくなるということが言えます。

後半のブログでは、実際にさくら組での活動のなかで

どのような自己決定の姿がみられるかや、保育士として意識している関わり方、環境の作り方などをお伝えしたいと思います。椎屋