子どもに合わせて【応答的な関わり】

5月も後半になりました。前半は新型コロナウィルスで自粛ムードでありましたが、少しずつ社会が動き始めているなと様々なメディアから情報を得ることができます。

 

保育園の方も自粛で休んでいた子ども達が登園するようになり、各クラス通常モードになりながらもまだ安心はできないので、職員も毎日の検温、視診、玩具消毒を出来る限り行っています。また子ども自らも身を守る術の一つである手洗いの徹底を行なっているところです。

第2波もいつかやってくるであろうと言われています。そういう中でも、保育園の機能をしっかり果たすためにも、保育者として、子ども達の遊びの保障をし、育ちを見守っていがなければいけないと思いました。

 

 

さて今年度は、私は0〜2歳児クラスを主に入りながら保育を行なっています。その中で保育しながら、一番大切にしていかなければいけないことについて、今回お伝えしたいと思います。

 

 

乳幼児期は、子どもの人格の土台をつくる時期です。

子どもは周囲の大人に、対して温かく応答的に接してもらうことで自分は愛される存在であると感じます。

 

応答的とは、相手の思い通りにするということだけでなく、ダメとか、違うことを提案することを含めて、返事をし、相手のしていることを認め、したい気持ちを受け入れ、その上で、発展を促したり、方向を修正したりすることです。

 

反対に、冷たく無視をしたり否定的な言葉を受けると子どもは自分は愛されていないと認識してしまいます。

保育園で私達保育者が、「ダメ」「危ない」「○○して」など子どもの行動を否定し、命令するばかりでは、子どもは無力感を学習し受動的になります。

保育者は日々の関わりを通して子どもの信じる力を育むことができ、反対に他者への不信感を子どもに植え付けてしまう可能性もあるのです。とある著書に書かれていました。

 

保育者や大人の関わりがいかに大事かということを再認識させられ、責任の重さを感じました。

 

この大事なポイントを踏まえて、保育に照らし合わせて見ました。

1歳児W君は、慎重な面があり環境が変わったりすると自分自身を発揮できなかったり、食事も苦手なものがあります。

先日、午後のおやつでおいなりが出ました。W君はおいなりを手に持つことも嫌がりました。

きっと油揚げのペタペタの感覚が嫌なのかなと思いました。そこで保育者が隣りに寄り添い一緒に食べながら、W君の表情を見ていました。少し興味を示していたので「美味しいよ。食べてみる?」とおいなりを差し出すと、プイッと顔を逸らしてしまいました。W君は、結局食べずお茶を飲んで遊びの方へ行ってしまいました。

その時、対応した保育者は、

W君の「食べたくない」という気持ちを受け止めます。

私も少し興味を持ってくれただけでもよかったと思いました。W君にとって、嫌いなものに自ら少し興味を持てたことが進歩です。その場にいた保育者全員、同じ思いだったに違いありません。

 

子どもの食べた後の片付け、午後の子どもの検温とそれぞれ保育者が分担して業務を行い、落ち着いた頃合いにミニソファーに座って私がおいなりを食べ始めると遊んでいた子ども達が集まってきました。

 

そして、その中に・・・・、なんとW君がいたのです。

 

私の食べる様子を見ながら、少しずつ距離を縮めて 気付けばすぐ隣りに❗️

私も気にせず、美味しいおいなりを心から味わいました。そして、ふと口をつけていない方をW君に見せ、「食べてみる⁉️」と差し出すと、パクッと自ら口をおいなりへ運んで、美味しそうに食べてくれました。

「美味しいね!」とW君に声かけをすると、満面の笑みを見せてくれたのです。

食べるタイミングは友達と違いましたが、場所、時間は今はW君に合わせるのが大事だと感じるのです。

側にいた保育者みんなで、W君がおいなりを食べれたことを心から喜びあいました。

 

 

前日のおやつも少し口にしたら、美味しいと感じ その後は完食したようです。その際も、W君が食べ終わるまで保育者が側に寄り添っていました。

きっと、安心できる大人が側にいるからこそ、食べてみよう❗️という気持ちが芽生えたのでしょう。

 

しかし、昨日今日食べたからずっと食べれるというわけでもありません。子どもも1人の立派な人間です。人権を持っているのです。大人でも、食べたくない時飲みたくない時がありますよね。子どもも同じです。日々違うということを念頭におくことが大事です。

 

今回のことに限らず 保育を行う上で似たような場面になることが多くある中、保育者が子どもを理解しながら、子どもの思いに共感し、丁寧に答えることが求められていると強く感じます。

 

私も10年以上保育を行っていますが、保育士という仕事に終わりはなく、また完璧なものもありません。毎日、振り返り、あの時の言葉かけはもっと、こうしたら子ども達自身が考えながら遊びを進めていけたのではないか❗️あの時の言葉かけは不適切だったのではないか❗️あの時の対応は……。など色々な場面のことを思い出しながら思うことの方が多いことに気づきます。

 

 

でも、子ども達の笑顔や自信に満ちた表情を見るとまた頑張ろう❗️という気持ち、元気をもらっているのも事実です。

 

私達保育者が子ども達に信頼してもらえる大人となり、私達を港にして、安心して周囲の様々な自然や人に関わり、働きかけながら世界を広げてもらえるようにしていきたいと思います。

 

参考著書:保育者の関わりの理論と実践

文責 : 古市(未満児リーダー)