主任だより 話し合い②

前回のブログでは、さくら組の話し合いについての書きました。

今回のブログでは、実際に司会進行をした上での気付きや感想をまとめたいと思います。

さくら組で行われている話し合いを見学し、担任達の言動から学びを得たり、環境の改善点を見つけたりした後、実際に司会進行をしたいと担任に伝えました。

自分で司会進行をしてみることで、更なる気付きが得られると考えたためです。

そもそも何故、年長児の話し合いについて学ぼうとしているのか?保育士として興味がある、という理由もありますが、最大の目的は

「来年度以降も5歳児クラスで効果的な話し合いを行っていくために、話し合いの仕方を言語化する」というものです。

話し合いを行う人数、話し合いの題材などによって配慮事項の違いはあれど、話し合いを進行する基本ルールは必要です。

何故、基本ルールが必要なのかというと、話し合いの司会進行を務める人によってルールが違っては、子どもたちに戸惑いを生みますし、話し合いの質が安定しないためです。

 

前置きはここまでにして、本題に移りたいと思います。

話し合いをするに当たって、どのように話し合いをスタートさせるかをまず考えました。

いきなり、「12月の発表会(仮)の名前を考えてね」と振っても、子どもたちから意見は出るでしょうが、あまり考えずにぱっと思いついたものが出てくるパターンが予想できます。

しかし大事な名前ですから、しっかり考えて欲しいという気持ちがありました。そのためには、どうしてさくら組の子どもたちにも考えてほしいのか、その日はどんな日にしたいのか、大人側の気持ちも伝える必要があると思っていました。

5歳児でも伝わる分かりやすい問いかけ方は…その日をどんな日にしたいかという概念を5歳児にも分かってもらうには…。

 

そこで準備したのがこちらの絵カードです。

笑顔、泣き顔、怒り顔のカードです。一枚ずつ見せて、この顔のときどんな気持ち?と聞いてみました。

「にっこり笑顔!うれしいきもち」「たのしいきもち」

「泣いてる顔。悲しいきもち」「さびしいきもち」

「怒ってる顔。いやなきもち」「むかむかしてる」

と、絵カードの顔を無意識にマネしながら答える子どもたち。

 

たくさんの大人が来る日が12月にある。

その日は、子どもも大人もこのにっこり笑顔…楽しい、嬉しい気持ちになるような日にしたい。

 

と伝え、その日に各クラスで行われるだろうことを下記のような図で示しました。

 

これらの導入を終えた上で、「さて、この日に名前を付けたいんだけど…何か案はないかな」と尋ねました。

思い付きで言う子、考えてから言う子、手を挙げて話しながら考え出す子と様々。

「フェスティバル!」(これは元々さくら組で便宜的にフェスティバルと呼んでいたため)

「おとなが来るんだから、おとなって入れた方がいいよ」

「でも子どもも来るでしょ」

「みんなが来るんだよ」

「錦ケ丘でするんだから、錦ケ丘って入れた方がいい」

「楽しい気持ちになるから、楽しい感じがいい」

自分の考えたことをどうにか言葉にして伝えるので精いっぱい。混沌としていく場をどうにかまとめようと私も精いっぱい…。

「さくら組は、ハーバリウム飾ってカフェするんだよー」「だから名前も、さくらカフェ」と、段々話がさくら組がすることに偏ってきたところで、一旦大人が考えた名前も伝えました。

「絵を飾るから、キッズアート展はどうかな…。あとは、子どものこころ展という案も出ていたよ」

それを聞いて、キッズアートという英語の響きが気に入った子もいましたし、自分が出した名前の方が良いといった反応を見せる子もいました。

 

さて、ここまで来て場も少し停滞してきた雰囲気。ようやく私も落ち着いて周囲を見ることができました。

見回してみると、いつもなら元気よく自分の気持ちを言う子が何名か黙り込んで、考えている様子。

一方で、この議題への自分の提案を言い終えて、別のことへ集中が向いている子も…。

出来れば、考え込んでいる子の意見も聞きたいところですが、ペースは人それぞれ。今回はここまでにして、また来週話し合いをするから、どんな名前がいいか考えてきてくださいとしました。日曜日を挟むので、子ども達が忘れないように依頼書を壁へ張り出しました。

自分たちで読み上げながら、どんな名前がいいかなあと考える姿が見られました。

 

第一回目の話し合いを終えて、「話すのが早くてよく分からなかった」という気持ちを伝える子もいました。これは、良い気付きを教えて貰ったと心底思いました。

混沌とし、答えが出る雰囲気のない話し合いに私自身が焦ってしまっていたのでしょう。

この日まで、話し合いとは答えが必ず出るものであると私は思っていました。

しかし、ちょうどその時勉強として読んでいた本の中にあった話し合いについての記述を読んで、その考え方が変わりました。

子どもの話し合いは、答えが出ることが大切なのではなく、話し合いの議題を子どもが意識するようになることが大切である。という考え方です。

 

依頼書も貼ってあるのだから、来週の話し合いまで子どもたちには意識してもらおう。と心に決め、それまで時折「何か考え付いた?」「依頼書、読めた?」と声をかけるだけに留めました。

それから、来週は、皆が分かるようにゆっくりと丁寧に話すよう意識しよう…とシュミレーション。

担任にも、話し合いの振り返りとして、コツを聞いたり一人ひとりを話し合いに巻き込むための対応について聞いたりとしました。

 

また、話し合いをしてみたことで、自分の考えを論理的に話す力を育てるためにはどんな遊びがあるか考えるきっかけが生まれました。

前回のブログで触れた”イエナプラン教育”を行っているオランダでは、どのように育てているのだろう。

調べることで知った遊びを、実際にさくら組で行うこともできました。

 

今回のブログも随分と長くなってしまいました…。ひとまず、今回はここまで。

次回、論理的に話す力を育てる遊びと第二回目の話し合いについて、お伝えします。