噛み付きはなぜ起こる?

ここ最近うめ組ではこども達の噛みつきが増えています。

噛みつきがなぜ起こるのか?

今回のブログは噛みつきについて紐解きつつ、園側の対策などもお知らせ致します。

 

【噛みつきの原因】

一般的には1歳中頃から「自我」が芽生えはじめるといわれています。

自分だけの世界から他者を意識し自分以外の存在を意識します。

まずはなんでも自分の思い通りにしたいという欲張りな姿を見せ、友達が楽しそうに遊んでいるとそのおもちゃを自分のものにしたくなります。

当然、その友達の抵抗を招くのでさらに意地になって奪い合いが始まります。その結果として「噛みつき」がはじまることもあります。

そんな喧嘩が1歳児半クラスでは絶えることがありません。

ですが、このぶつかり合いの中で「わたし」ばかりではない「あなた」を知り、「取る」ばかりでない「返す」こと、「取られる」ばかりでない「返してもらえる」ことを学びます。

 

時にはコミュニケーションのひとつとして「噛む」という行為もみられます。

例えば「おはよう」が言いたくて噛むなど、言葉で伝えられないもどかしさを噛むという表現で示すこともあります。コミュニケーションでの「噛む」行為が続き、子ども達の中でコミュニケーション手段としてブームのようになることもあります。

 

 

錦ヶ丘保育園での対応と対策

【対応】

・噛んだ子に対しては「痛いよ」「貸してって言おうね」「ガブ、✕だよ」など短く簡潔にわかりやすく伝えるようにしています。

また、こども達は大人の様子に非常に敏感です。ピリピリとした雰囲気ではなく、あえて落ち着いた雰囲気を作り出すことを意識しています。噛まずにはいられなかった気持ちも、受け止めています。

 

・噛まれた子に対しては、噛まれた箇所の手当てと、「痛かったね」「悲しかったね」と気持ちを代弁し、心のケアを意識しています。

時に、噛まれた子が噛んだこの玩具を取ろうとして…という事もあります。そんな時は、「玩具使いたかったね。今は〇〇ちゃんが使ってたね」「貸してって言おうね」と分かりやすく伝えています。

 

【対策】

・成長するにつれ、「噛む」行為は徐々に減っていきます。「噛む」以外のコミュニケーションの手段の獲得が主な要因です。

「噛む」以外のコミュニケーション手段(笑顔を交わしあう、同じ気持ちで遊ぶ、言葉で伝える、身振り手振り…など)の獲得は、子ども同士の交流の中で生まれます。

例えば、重たいバケツを「オモタイネー」と一緒に運ぶ時…小麦粉粘土の感触に笑顔になって、ふと見ると友達も笑っていた時…狭いマットの上に転がりたくて、最初は怒っていたけれど、ギュウギュウにくっついて寝る心地良さに気付いた時…。職員は、そんな経験がたくさん出来るように保育を組み立てています。

・作業療法士(中鶴真人)のアドバイスも取り入れています。

例年、噛みつきが一番多い1歳児。戸外遊びやリトミックなどで存分に体を使う“発散”の遊びだけでなく、「ここはどう渡ろうかな?」「どうやって降りようかな?」と考えて体を使う運動遊びなどの“集中”の遊びを保育に組み込んでいます。

・国が定めた人員配置(子ども6名につき大人1名)よりも、多く職員を配置する日を増やしました。本来ならば3名の大人で保育をするところ、4名で保育する日が殆どです。

新型コロナウイルス感染症対策のため、体調不良の際は職員も休む場合があります。

その際は、3名で保育する日もございます。

 

・室内環境を見直しました。

まず、ソファを撤去しました。

子ども達の憩いの場になっていましたが、子ども達のコミュニケーション能力がもう少し育ってから、ソファを戻す予定です。

次に、たんぽぽ組(0歳児クラス)との壁と一部の棚を撤去しました。4,5月は、新しい環境に泣く子どもも多く、落ち着いた雰囲気作りや穏やかな入眠のため壁を設置していました。

徐々に子ども達も慣れ泣くことが減ったこと、壁と棚を撤去したことによる広い空間の確保を目的に撤去しました。

空間が広がったことにより、子ども達が自分のパーソナルスペースを保てるようになり、「一人で遊びたい」「一人でやすみたい」という気持ちの時に、落ち着いて過ごせるようになりました。また、たんぽぽ組の子ども達の顔が見えるようになり、玩具のやり取りも生まれています。壁が無いことで、視覚的にも広く見え、子ども達が穏やかに過ごせるようになりました。

・噛みつきがあった際は、休憩時間に話し合いを行っています。状況確認、原因を話し合います。また、毎日記録を取っているため、前週との比較も行っています。

 

 

最後に・・・

子ども達の成長は、行ったり来たり、進んだり戻ったりします。以前まで「噛む」ことをコミュニケーションのメイン手段としていた子が、成長と共に噛まなくなったとしても、何かの拍子に「噛む」ことはあります。また、0~2歳児までは、月齢による発達の差が大きい年齢です。秋以降の生まれの子ども達にとっては、今からが「噛む」時期かもしれません。

大切なお子様の肌に、痕が残ることは私たち職員もたいへん心苦しい思いです。なるべく未然に防げるよう、上記の対策とヒヤリハットの共有(保育園だけではなく、こども園・まふぃんともヒヤリハットを共有し、重大事故を防ぐ取り組みをしています)を続けます。

 

参考文献:~やわらかい自我のつぼみ~著 白石正久

 

文責:廣田・櫻田・春成