園内研修「安全管理・ヒヤリハット集計報告」

2021年10月23日(土)、園内研修「安全管理・ヒヤリハット集計報告」を行いました。今回は、2回行い全職員が受けられるようにしました。

 

<研修の目的>

• 保育園の前期、実際に多かったヒヤリハットの事例について知る。
• ヒヤリハットの重要性、捉え方について理解する。
• 重大な事故を未然に防ぐ方法について学び、今後実践する。

研修後の最終目標として…

ヒヤリハットに気付き積極的に共有することで、保育中の安全管理を徹底し、重大な事故を未然に防ぐ。

 

<参考文献>

• 「保育所におけるリスク・マネジメントヒヤリハット/傷害/発症事例 報告書」 監修 掛札逸美
• 保育の安全研究・教育センター(ホームページはこちら) 掛札逸美
• safe kids jpan(ホームページはこちら
• 保育者のための心の仕組みを知る本 掛札逸美
• 教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議 年次報告(令和3年) 内閣府

 

<内容>

1 ヒヤリハットは大切!

「ハインリッヒの法則」というものがあります。1件の重大な事故の背景には29件の軽微な事故があり、その背景には300件の事故寸前の出来事(ヒヤリハット)がある、というものです。一見ささやかに思えるヒヤリハットも「この程度で終わって良かった…でも、これがもし最悪の結果までいってしまったら…」と考え、対策を取ることが大切になります。

2 前期(4月~9月)の集計結果

錦ヶ丘保育園では、ヒヤリハットを適宜共有しています。ヒヤリハットは、重大な事故を防ぐ大切な情報です。共有だけして終わらないよう、毎月ヒヤリハット情報を集め「①何が起きたか(事実の記録) ②なぜ改善する必要があるか(分析) ③今後の対応(対応策) ④フォローアップ(二重の確認)」の分類に分け記入、全職員が回覧しています。

お隣のこども園とも情報共有をしています。去年の中頃から始めたこの取り組み、続けていくにつれヒヤリハットが起きやすい時間帯や場所、原因などの傾向が見えてきました。今後も続けていくことで、事前に対策を立てていくことが出来そうです。

3 重大事故の予防のために

重大な事故はどのようにしておきるのか。「スイスチーズモデル」というものがあります。

トムとジェリーに出てくる、穴だらけのチーズを想像してみてください。

例えば、1歳の子どもが5歳児クラスのはさみで目を突くという事故が発生したとします。

「1歳児クラスと5歳児クラスの間には間仕切りがあり」「いつもは間仕切りが閉まっている」「クラス内で職員が見守っていて」「5歳児クラスのはさみは、子どもの手の届かない場所に置いてある」

これらが、はさみで目を突くことを防ぐ、1枚1枚のチーズ(防護壁)です。

ただし、このチーズには穴があります。

「間仕切りがたまたま開いていて」「クラス内で嘔吐が発生し、職員がそちらに集中していて」「5歳児クラスのはさみが、たまたま子どもの手が届く机の上に置いてあった」「そこまで、誰も気づかなかった」

これが、穴(偶然)です。この穴が重なった時、事故が発生します。

 

こういった穴(偶然)を防ぐために、どんな取り組みが必要か。それについても、詳しく話し合いました。

「気を付けて見守っている」つもりでも、上の空になる瞬間があるのが人間の脳です。

「まさか、重大な事故はおきないだろう」と楽観バイアスが働くのも、人間の脳です。

プロのライフセイバーが見守っている海やプールでも、毎年事故が起きています。海やプールでは、子ども1~2人につき、家族の大人1人が見守っている状態でも事故が起きます。

保育園は、3歳児20人に対し保育士1人…4歳以上児は30人に対し保育士1人。1,2歳児は、6人につき1人です。朝の7時から夜の7時まで、保育園はお子様をお預かりします。大勢の子ども達が、のびのびと遊び生活する中で「気を付けて見守っている」「今まで大丈夫だったから」は、通用しません。

そこで大切なのが、ヒヤリハットです。ヒヤリハットとして情報共有し、その時点で対策を立てます。この時に、「今後も気を付けて見守ります」とはしません。ヒューマンエラーは、0にはできないからです。

そこで、まずは環境を整えます。(例:エイトランのはしごは、3歳未満児が登れないような構造にする⇒転落防止)次に、職員が確実に行える具体的な行動を実践します。(例:エイトランを子どもが登る時は、大人が必ずそばにつく)

また、ヒューマンエラーを少しでも減らすためのコミュニケーションの取り組みについても、実践練習を行いました。

 

<今後>

リスク、と聞くと悪いイメージがあります。これは危険だから、と全てを取り除きたくなります。

しかし、一方でリスクはチャンスでもあります。転んで危ないからと、でこぼこした道も坂道も子ども達の遊びから取り除いたらどうなるでしょうか。子ども達は、転んでも起き上がったり、手を付いて大けがを防いだり、転ばないように体を工夫しながら使ったりする経験が出来なくなります。怪我をすると痛いんだ、という体験も大切なものです。

つまり、リスクと、そこで得られる価値を考えることが大切です。そこで、リスクの方が大きい(例えば、エイトランに1歳児が登れる構造になっている状態。1歳児は、これ以上歩くと落ちて死んでしまう、とは思いません)場合は、大人が取り除く必要があります。

今年は、保護者の皆様からも「園庭にこんなものが落ちていた」「門の鍵の調子が悪いです」など教えて頂き、たいへんありがたい思いでした。保育園からも、感染症の流行状況や事故の危険がある服装の紹介など、情報提供に努めました。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

文責:櫻田